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私のおウチ様がチートすぎる!!  作者: トール


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31/52

31.プロポーズ?






「死んでしまうって……?」


何で……?


「そうか。カナデは知らなかったな」


リッチモンドさんを見上げれば、頭を撫でられる。


「この世界の者には大なり小なり魔力があるのだ。夫婦、もしくは恋人となった者同士の魔力に差がありすぎると、交わった時に、魔力が少ない方は魔力酔いを起こしてしまう」


ま、交わるって、つまり、そういう事だよね。


「何で魔力酔いっていうのが起こるんですか??」

「うむ。粘膜の接触はお互いの魔力を交換する事とイコールだ。接触した箇所から魔力が流れていき、差があればあるほど、魔力酔いを起こしてしまう。いつも飲んでいる酒よりも、より多くの酒を飲むと酔ってしまうだろう。それと同じ事が起きるのだ」

「なるほど。じゃあ、リッチモンドさんはその魔力が普通よりも多いから、相手は魔力酔いどころじゃ済まなくて、死んでしまうと?」


その通りだ。と頷く彼は、それならばドラゴンの国でずっと、独りぼっちだった事になる。


「何千年も、ずっと独りだったんですか?」

「いや、それは違うぞカナデ」


違うの?


「確かに家族は居なかったが、わしには支えてくれる臣下も居たし、守らねばならない民達も居た。決して一人ではなかったのだよ」


そう語るリッチモンドさんの瞳は、とても穏やかな色をしていた。


「そっか……」


でもきっと、リッチモンドさんは、自分の子供が欲しかったんじゃないかな……。

子供達に接してる彼は、本当に子供が好きなんだなぁって感じるから。


「まぁ、それもこの年になれば、不要だと捨てられたがな」


ハハハッと笑うが、やっぱりさっき見せたみたいに寂しげな瞳をしてるよ。


「不要じゃないよ」

「カナデ……?」

「リッチモンドさんは不要じゃない! 私はリッチモンドさんが必要だし、この先もずーっとずーっと必要です!!」


絶対捨てたりしない!


「私のそばに、ずっと居て下さい!!」


ぎゅうっと抱きつくと、リッチモンドさんは暫く固まっていて、でも、そのうち、ククッとくぐもった笑いをもらし、抱きしめ返してくれたのだ。


「……カナデはいつもわしの欲しい言葉をくれるな」


抱き合ったまま、そう呟いたリッチモンドさんは、突然私を抱き上げ、自分の膝の上に降ろすと、もう一度抱きしめてくれた。


「カナデに初めて会った時、言ってくれた言葉に、わしはドラゴンの国に捨てられて良かったと思ったんだよ」

「え……?」

「わしを家族だと言ってくれただろう」

「はい」


頷けば、イケメンが極上の笑みを見せる。


「家族を持てないわしが、初めて家族を持てたんだ。こんな嬉しい事はない」

「そ、そっか……。ヘヘっ 私も嬉しい。……実は私も、子供が産めない体だったから」

「!? まさか、カナデも魔力が多いのか!?」


あれ? リッチモンドさん勘違いして…………いや、私の魔力1000000だったよ。多いよね!?


じゃあ、今世も子供作れないって事ぉぉぉ!!!?


「……私の魔力量、1000000あるんです……」

「なんだと!!!? わしが600000いや、いまはもっと……800000はあるか。まだまだ上がりそうだが……」

「そうなんですか! じゃあ、リッチモンドさんと私は魔力多くて子供作れない仲間ですね~」


今世も子供が産めないとか、どんな呪いだと思ったけど、リッチモンドさんが居るから寂しくないや。



「いや、カナデ……。わしらがつがえば子は出来るぞ」

「へ……?」

「わしの魔力もまだ上がっているからな。もう少し待っていてくれれば、カナデとつがえる」


つがう?? つがうって、け、結婚するって事……?


「こんなジジイでは嫌か?」

「へぅ!? いや、そんなっ あの、でもっ 私美人でもないですし、リッチモンドさんに釣り合うかなぁって!? いや、リッチモンドさんの事は大好きだし、問題があるわけじゃないですよ!? 嬉しいし!! けど、リッチモンドさんが私だと嫌かなぁとか思って……たり…………」


だんだんと語尾が小さくなっていき、最後にはかき消えた私の声に、リッチモンドさんが黙って目を閉じてしまった。



「うむ。つまりカナデを口説き落とせば、わしとつがってくれるという事だな」


何でそんな話になるの!?


「こんなジジイだが、これは頑張らねばならんな!!」

「り、リッチモンドさん?」

「カナデ、今日からわしは、この若い姿のままで居る事にしよう」

「何でですか??」

「若いお前からすれば、ジジイは恋愛対象外になるのであろう? 」

「は!?」

「だから、この姿のまま口説く事にする」


膝に乗せられたまま、そんな事言われたら……………、



そんなの、惚れちゃうでしょうがーーーーーーー!!!!!




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― 新着の感想 ―
[一言] わ〜!!!!!!!!!!!!! リッチモンドさんがんばれ〜〜〜〜〜!
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