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07 もしものダンジョン ②

 ◇ :一人称視点への切替or場面転換(一人称継続)

◇◇◇:三人称視点への切替or場面転換(三人称継続)


三人称視点から途中で一人称視点に変わります。

 



    ◇◇◇




 誰の目にもつかない場所まで移動したシズクと“もしものユウヒ”。


「水も滴るいい女ってね」


 濡れた前髪を手で拭う少女にシズクは見定めるような視線を送る。


「それにしても私と2人きりになりたいだなんて、“そっちのシズク”もかわいいところがあるね。奥手かと思えば意外と大胆でさ。そういうところもいじらしくって――」

「単刀直入に聞くけど、あなたは自分が本物じゃないってことに気付いているよね。女神であるユウヒちゃんを完璧に再現できるはずがないから、記憶と体との齟齬が大きくて気付いたのかな」

「……そういう一方的にまくし立てるような会話術は感心しないな。会話というのはキャッチボールだよ。もっとゆとりを持たせないと」


 穏やかな口調ではあるが、そこに纏わりついている雰囲気はそうではない。

 両者の間で冷ややかな視線が交差する。

 飄々とした態度で躱そうとする相手に対して、シズクはそのまま一方的に言葉をぶつけ続けることを選んだ。


「ダンジョンの制約であなたはユウヒちゃんを傷つけられないし、ダンジョンの外に出ることだってできない。ユウヒちゃんがここから出ていけば消えてしまうだけの儚い存在」

「…………」

「でもあなたが“本物”になれる方法がないわけじゃない。それにあなたは賭けることにした。……違ったかな?」


 問い掛けるような口調ではあるが、シズクからは己の出した答えに対する絶対的な自信が窺えた。


「……いいよ、続けて」

「ユウヒちゃんに“破壊の神力”を使わせて自分に掛かっているダンジョンの制約を破壊した後に、“創造の神力”を使わせて己の存在を世界に定着させる。そのためにはユウヒちゃんを誘惑するのが手っ取り早い。ユウヒちゃんを落としてしまえば後は自ずとあなたの存在を残すために神力を使ってくれるはずだから」


 そこでシズクは不敵な笑みを浮かべ、さらに言葉を続ける。


「あなたに神力は使えなくても、ユウヒちゃんから引き継いだ知識は持っているはず。そして、それを思いつけるだけの思考力もユウヒちゃん譲りのものがある」

「……へぇ。すごいね、君は。うちのシズクとは大違いだ。あの子は自分が置かれている状況に何ひとつ気付いていないただのおバカさんだからね」


 どこか纏わりつかせていた雰囲気を軟化させた“もしものユウヒ”が安心感を与えるような朗らかな笑顔をシズクへと向けた。


「ああ、これがギャップ萌えってやつかな。君のこと、本気で欲しくなってきちゃったかも」


 そのまま近寄ってきて、肩を掴んでくるその手をシズクは無抵抗で受け入れた。

 その事実に“もしものユウヒ”は笑みを僅かに深くする。


「ねえ、私じゃダメかな? 君は賢くて一途で、とても魅力的な女の子だよ。でもあの“私”は君の持っている魅力に気付いてすらいない」


 俯いたシズクがその言葉を聞いて肩を僅かに揺らすと、少女はそんなシズクの頬に手を伸ばした。


「酷いよね。どんなに相手のことを想っても気持ちが返ってこないのは悔しいし、理不尽だよ。あの子は野暮ったくて鈍臭いような人間が君みたいな素敵な女の子に好かれていることがどれだけ幸福であるのかをまるで理解していないんだ」


 それはもう1人の自分を小馬鹿にするような言葉だった。

 悲痛な表情と熱のこもった口調でシズクへ語る少女の言葉は続く。


「でも私なら君の気持ちに応えてあげられるし、君の望むこともしてあげられる。今は魂すら持たない偽物でも、いずれ君にとっての本物になってみせる。だから私の手を取って。君が本当に幸せになれる道を選ぶんだ」

「あ……」


 シズクの口から小さな声が漏れる。

 だが依然として俯いたままのその表情を窺い知ることはできない。


「……そっか、そうなんだね。ふふ、なんだか安心しちゃった」

「ん、何を――」


 ――そして次の瞬間、シズクの口から紡がれた言葉に少女は凍り付くことになる。


「あたしの気持ちって自分で思っていた以上に固いみたい」

「……え?」


 顔を上げたシズクは笑顔を浮かべ、僅かに頬を紅潮させていた。

 彼女の心は全く揺らぐことがなかったのだ。


「あたしが好きなのは直向きで頑張り屋さんなあの人なの。かわいくて、きれいで、かっこよくて……いつだって優しい温もりであたしを包んでくれる人」


 その言葉に呆気にとられる少女の耳元にシズクは顔を近づける。


「あなたが言ったような陰口は言わないよ」


 その顔には悪戯っ子のような笑顔が浮かんでいた。

 シズクの言葉を受けた少女は目を見開いている。


「あなたは多分あたしたちと出逢うよりもずっと昔に自分の魅力に気付いて、それを最大限利用する立ち回り方を覚えたユウヒちゃんってところかな。第二の策としてあたしを陥落させて、ダンジョンに手を加えてもらう予定だったの?」


 シズクの笑顔に当てられた“もしものユウヒ”は頭を抱えると同時に深くため息をついた。


「……完敗だよ。君たちは揃いも揃って難攻不落すぎる。そんな要塞の1つを落とした人がいるなんて俄かには信じられないね。いったいどんな曲者なのやら」

「とっても素敵な人だよ」

「……そっか」




    ◇




「そっちのユウ様のお話、もっとヒィに聞かせて! あとナデナデもしてっ!」

「あっ、シィにもシィにもっ!」

「えーもう、仕方ないなぁ。じゃあ――」


 私に纏わりついてくるのは赤髪と青髪の双子の少女だ。

 何を隠そう、“もしものヒバナ”と“もしものシズク”である。

 この子たちはかなり純粋というか……子供っぽい。

 話を聞く限り、料理にも読書にも一切興味はないようだ。それらにのめり込んでいるあの子たちの姿をよく知っている私としては信じられない思いである。

 話の中でわかったのは、この子たちは生まれてまだ数時間しか経っていない頃に“あっちの私”と“あっちのコウカ”に出逢ったということ。

 それだけでこのような人格が形成されるだろうとダンジョンは判断したわけだ。


「ちょっとあなたたち、いつまでうちのユウヒに引っ付いているわけ!? 離れなさいよ!」

「ふん、こっちのユウ様もいいよって言ってくれたもん!」

「ガミガミうるさい偽ヒィちゃんはあっち行っててよ!」

「もういい加減にして……! ユウヒもこの子たちに何か言ってよ!」


 そうは言われてもこの2人は立ち振る舞いが完全に小さな子供のそれなので、どうにも拒み辛いのだ。


「あらあら、ヒバナったら羨ましがっちゃってまあ」

「こういう時くらい素直になれよなー」


 その時、横合いから飛んできたのはロージーとベルによる揶揄いの言葉だった。

 横目で表情を確認した限り、表情は完全にニヤケ顔となっている

 ――傍観者気取りで随分と楽しんでくれているようだ。

 もちろん、彼女たちの言葉にヒバナは反論しようとする。


「はぁ? 意味わかんないこと――」

「あっ、そっか! もう1人のヒィってば羨ましかったのね!」

「恥ずかしがり屋さんなんだね!」

「ちがっ。ちょっと、引っ張らないでよ! ……きゃっ!?」


 “もしものヒバナ”と“もしものシズク”によって強引に手を引かれたヒバナが私の胸に飛び込んでくる。


「わあっ、顔真っ赤ー!」

「真っ赤真っ赤ー!」


 双子にも揶揄われて耳まで赤くなっているヒバナはそのまま私の胸に顔を埋めて外界からの情報を断つことを選んだらしい。

 照れ屋さんのこの子は自分からあまりスキンシップを取ろうとしないから、正直な話とても嬉しかったりする。

 心の中で親指を立てた私はそっとヒバナの背中に手を回して、この抱擁を楽しんだ。


 そうして少しの間、ヒバナと抱き合っていたのだが――。


「マスター、ヒバナ! た、たす、助けてくださいぃ! ひっ!?」

「待って! なぜ逃げるんだ! わたしならわたしを満たしてくれてもいいじゃないか!」

「あなたなんてわたしじゃありませんよぉ!」


 情けない声を上げながら走り込んできたのはコウカだ。

 どうやらあの“もしものコウカ”もここに連れてきてしまったらしい。

 私は思わず大きなため息をつきたくなった。


「そんな露骨に嫌な顔をしないでください!」

「だって、そっちのコウカ怖いし」

「わたしだって怖いんですよ!」


 コウカは私の肩を掴んで、己の身を守る盾にしようとしている。

 こんな様子のコウカは珍しいなんてものじゃない。

 ――仕方がない、腹を括ろう。


「こんにちは、コウカ。さっきからうちのコウカがごめんね?」


 近付いてくる“もしものコウカ”に向かって、敢えて普通に話しかけてみる。

 すると意外なことにこれまた普通の反応が返ってきた。


「いや、“そっちのわたし”の反応……やり過ぎたと反省している」


 どこかしゅんとした様子の彼女の反応を見た私は首を回して、怯えたままのコウカの顔を見る。


「案外、普通に話せそうだけど」

「見た目に騙されないでください。あれはケダモノです」

「えぇ……」


 彼女と同じ見た目をしたコウカにそんなことを言われるのはなんとも複雑な気持ちだ。

 私がこんな気持ちを抱いているのだから、当の本人はもっと傷付いているに違いない。

 ――やはり、案の定のようだ。


「わたしはいつも同じ失敗を繰り返す……」

「ほら、落ち込んじゃってるじゃん。いくら苦手だからってケダモノなんて言うとあの子がかわいそう――」

「恐怖に呑まれた心では至上の快楽には届かない。もっとこちらを蔑んでくる方向に誘導しなければ良質な快感は得られないと反省した!」

「――安心して。私が絶対に守ってあげるからね、コウカ」


 この手の平は返すためにあった。

 いつもコウカに守ってもらう立場にいる私だけど、私だってコウカのことを守ってみせる。


 そう息巻いていた私だが、子供っぽい双子たちから“もしものコウカ”がああなってしまった経緯を聞くと少し同情してしまった。

 要はあの子は命のやり取りの中に自分の生きる意味を見出してしまったコウカなのだ。


「理由を聞くと、どうしてああなったのか納得はできるんですよね……やっぱり怖いですけど」

「あんな能天気な自分は受け入れがたいけど……まあ、現実感はあるわよね」


 コウカとヒバナとしては違う可能性を持った自分を楽しむ気持ちが半分、感心する気持ちが半分といったところか。……恐怖心はこの際、置いておこう。


 ――そしてまた、この場に一組が合流を果たす。


「主様! もうひとりのボクが主様とも話したいって言うから連れてきたよ!」

「わっ……そ、そんな大きな声出さないでよぉ……」


 引っ込み思案な“もしものダンゴ”と話していると少しだけ昔のシズクのことを思い出した。

 とは言っても性格は全然違うタイプで、この子からはどんな相手とでも仲良くなりたいというひたむきな想いがこれでもかという程には伝わってきたが。


 さらにこの子の過去についても詳しく聞くことができた。


「そっか……ダンゴって私たちと会うまでは1人で生きていたんだもんね」

「私とシズみたいなことがあっても何ら不思議じゃないわよね……」


 生まれつき好奇心旺盛なダンゴは興味を持ったことに首を突っ込みながらも上手く立ち回ることで危険なことに直接巻き込まれないようにしてきたという。

 だが上手くいかない可能性だって当然あったはずなのだ。

 その話にヒバナは人一倍思うところがあったのだろう。

 浮かない顔をしていたヒバナの背中をそっと撫でると、こちらへ振り返った彼女に「心配しすぎ」とやや呆れたような微笑みを向けられてしまった。


「も、もうひとりのぼくはやっぱりすごいよね。ぼく、憧れちゃうな……」

「ふふん、もっとボクのことを褒めるがいい! ……でもね、辛い思いをしたのに今も頑張ろうとしているキミだってすごいんだよ!」

「すごい……ボクが?」

「そうだよ。それに偉い、もうひとりのボクは偉い!」

「え、偉い……えへへ」


 同一人物というよりは姉と妹のようにも見える。

 あんな姉としての自然な立ち振る舞いを普段からアンヤにもしてあげればいいのに。


 噂をすれば、というわけではないがもこちら側に来たようで、音もなく近寄ってきてはダンゴの袖を軽く引っ張っている。


「あれ、アンヤもこっち来たんだ。おかえり!」

「……おかえり、じゃない。何してるの」


 アンヤの視線の先にはもうひとりの自分の頭を撫でるダンゴの手があった。

 あまり表情には出ていないが、その雰囲気からアンヤの気持ちを察せられた私としては驚く気持ちと当然だという気持ちが綯い交ぜとなっている。


「アンヤ、なんか怒ってる?」

「怒ってない」

「いや、怒ってるじゃん」

「……わからないなら別にいい」


 思わぬライバルが登場というか、唯一であった妹という立ち位置を奪われているように感じたアンヤは“もしものダンゴ”に嫉妬しているのだろう。

 そこに思わぬ人物が割り込んできた。


「もうひとりのアンヤはきっと妬いているのよ。お姉ちゃんを取られたって思っているに違いないわ!」

「おお、さすがだね! 助かったよ!」

「どういたしまして。でもその手は引っ込めて。もうひとりのアンヤに睨まれたくないもの」


 早口で捲し立てるように話す饒舌な“もしものアンヤ”からの捕捉でダンゴも合点がいったようだ。

 あの子は未だ拗ねているアンヤに絡みに行く。


「もうなんだよ、アンヤ。それならそうと早く言えばよかったじゃん。いつも素っ気ないくせにかわいいヤツだな」


 上機嫌にどこか面倒くさい絡み方をするダンゴとそれを鬱陶しがるアンヤ。


「ほらほら、妹ならもっと素直にお姉ちゃんに甘えてこいっ」

「んっ……やっぱり、姉さんは姉さん」


 面倒くささ半分と嬉しさ半分といったいつもの光景だけど、今日はアンヤの方も随分と嬉しさが勝ってそうではある。

 それを微笑ましい気持ちで見守っていた私だが、不意に“もしものアンヤ”がこちらを向いて目を輝かせてきたため、少しだけ身構えた。


「あなたが――」


 口を開きかけた彼女。

 しかし、それと同時に2人の人物がこの場に現れたため、彼女の視線はすぐにそちらに釘付けとなってしまっていた。


「やあ、お待たせ。こっちのシズクとの会話が弾んじゃってさ」

「――ママ!」

「おっとっと。甘えん坊なお姫様だ」


 “もしものアンヤ”が“もしもの私”に抱き着いた。

 それは別にいいんだけど、あの子は今なんと言ったか。


「ちょっと待って……なんでアンヤにママって呼ばれてるの?」

「ん? もしかしてお母さんって呼ばせたい派だった?」

「いや、私もどちらかというとママ派なのかな――って違うよ!」


 彼女が「おお、いいノリツッコミ」などと宣い笑っているがそんなことを議論しているわけではない。

 私は自分の中の疑問を一言一句丁寧に相手に伝える。

 すると“もしものアンヤ”に関する驚くべき事実が露呈した。


「え、だってアンヤって私と瑠奈(るな)の娘じゃん」


 まさかの生まれ方からして違うパターン。

 どうやら“もしものアンヤ”はプリスマ・カーオスの謀略に利用されそうになっていたとかそういった事実もないらしい。

 だからうちのアンヤとは性格がまるっきり違ったのだ。

 ――もはや別人だよ、それ。


「はぁ……」

「お疲れ様、ユウヒちゃん。なんだかすごく賑やかだね」


 どっと疲れてしまった私の背中をシズクが撫でてくれる。

 たしかにこの子の言うようにいつもの倍の人数に増えたこの場は少々騒がしい。


「おかえり、シズク。シズクが帰ってきたってことは話がついたの?」

「うん、やっぱりこのダンジョンの仕組みと自分の正体についても気付いていたみたい」

「そっか。あの様子だと心配はいらないかな」

「一応諦めてはくれたと思うよ」


 “もしもの私”の気持ちを考えるとやはり同情してしまいそうにはなる。

 彼女たちに魂はなくても、ダンジョンが作った仮初のものとはいえ人格はたしかにそこに備わっているのだ。

 でもこれ以上、踏み込んではいけない。特に神力という世界の理すら越えられる力を持つ私は慎重にならなければならない。


「そろそろお暇しよっか」


 このままだとどこまでも仲良くなりそうなダンゴにもそろそろ止まってもらう必要がありそうだ。


 ――そうして、それを“もしもの私”にも告げる。


「そっか……ここまでだね」

「……ごめんね」

「謝らないでよ。嫌味でしかないよ、それは」

「ごめん……」


 このダンジョンは気付いてしまった者にとっては残酷だ。そう思ってしまう。


「あーあ、自分は誰かに嫉妬することなんてないと思っていたんだ。それがまさか……自分相手なんて」


 空を見上げ、目を閉じていた彼女が次に目を開いた時、彼女はまっすぐその瞳をこちらに向けてきた。

 それは澄んだ視線のようであり、まるで睨みつけているようにも見えた。


「君はいつか絶対にあの子のことを泣かせるよ」

「え?」

「なんでそっちを取るのかな。本当に意味がわからない」


 ――意味がわからないのはこっちのセリフなんだけど。

 私は彼女の発言の意図を図りかねていた。


「君を見ているとイライラするんだ。もっと自信を持てばいいのにって。君、恋愛なんて自分とは無縁だと思っているでしょ」


 どうして恋愛の話になるのかが理解不能だが、たしかに恋愛なんて考えたこともなかった。

 私には家族(みんな)がくれる愛情があるから、考える必要もないだろうと。

 でも彼女の言うもっと自信を持て、とは最近みんなにもよく言われることだ。特にヒバナは口うるさいくらいに言ってくる。

 私は自分の価値を低く見積もり過ぎというか、卑下しがちらしい。

 ――さすがに卑屈にはなっていないけどね。


「はぁ……ほんと、わざわざ苦労することもないのにさ」


 呆れるような声色で彼女はそう言うと、もう一度空を見上げた。

 これが彼女との別れ――ではなかった。


「――あれ、そういえばノドカたちは? さっきから見ないけど」

「え? ……あ」


 プカプカと浮かびながら眠るノドカとプカプカと浮かびながら眠るノドカが合わさるとどうなるか。

 その答えは“無限の浮力を得て、どこまでも浮かび上がってしまう”というものだ。


「いやぁ、いいモン見れたよなぁ」

「ユウヒたちを連れてきて正解だったわねぇ」


 ベルとロージーが満足したように私たちから離れていく。


「そこ、一足先に帰ろうとしないで!」




 この後、ぐっすりと眠ったままのノドカたちを全力で連れ戻した。


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