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『あなたが幸せな結婚ができるのは私のおかげね』


 アオがドヤ顔で飛び回っている。


「はい? どうして私の結婚がアオのおかげなの?」

『わかってないのね。あなたが貴族として生まれてそのまま暮らしていたらロイドとの結婚を望んでいたかしら。きっとセネット侯爵令嬢として聖女を目指していたはずよ。そうなればあなたの叔母様のように生涯独身か王族に望まれて花嫁になるか」


 叔母様って独身だったのね。知らなかったわ。聖女様のお仕事は大変そうだから結婚できないのかしら。


「王族とは結婚できるの?」

『聖女様と王族の結婚はよくあるのよ。ただあまり幸せにな結婚とはいかないみたいね』

「どうして?」

『王族は一夫多妻なの。旦那の愛を競うから大変みたいね』


 はぁ。一夫多妻かぁ。聞いてるだけで大変そうだわ。絶対に王族との結婚はないわ。


『わかったでしょ。私のおかげであなたは幸せな結婚ができるってことなのよ!』


 うーん。アオのせいで貴族から庶民になったり、庶民から貴族になったり波乱万丈な人生を送ることになった。でも確かに私がロイドに出会えたのも、アンナがエドと出会えたのも運命とかではなく、アオのイタズラによってなのよね。侯爵令嬢として育っていたら子爵家の三男であるロイドと親しく話をすることはなかっただろう。


「そんなことないわよ。きっと私とロイドは運命によって結ばれているから、アオのイタズラがなくても出会ってたわ」

『まぁ、認めないつもりなのね』


 絶対にアオの対しては認めるつもりはない。たとえロイドと出会えたのが彼女のおかげだとしてもでかい顔をさせるわけにはいかないわ。調子に乗るとまた同じようなことをするかもしれないもの。次は私とアンナみたいに上手くいくとは限らない。不幸になっていたかもしれないのだ。


「当たり前でしょ。あなたのおかげで私もアンナも余計な苦労をすることになったの。反省してほしいくらいよ」

『反省ですって? この私に反省しろっていうの? 人間ごときが妖精である私に?』

「妖精だろうと王さまだろうと悪いことをしたら謝るものよ」

『ん、まあ! ん、まあ! この私に謝れなんて言う人初めてよ』

「あら光栄だわ。ついでに妖精に謝ってもらった初めての人になりたいものね」

『ん、まあ! 信じられない人間ね。よく聞いて。私は人間よりもずっと偉い妖精なの。本当はあなたたち人間は口を利くことさえ出来ない存在なのよ。次に来た時に謝るのはあなたの方だからね」


 プンプンと怒った妖精は謝るなんてことはするはずもなく、唐突に消えてしまった。

 本当に勝手な生き物だ。でも不思議と憎めないのよね。




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