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相棒が現代の乗り物に変形できる【万乗ビークル】でした!~剣と魔法の異世界で、今日は何に乗ってどこへ行く?~  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第36話 襲撃


 今日もまずは気球で先を進む。


 相変わらず美しい景色を見ながら進むことができるので移動もとても楽しくある。多少は空の旅にも慣れてきたので、前よりも景色を楽しむ余裕も出てきた。


「しかしこの気球とやらはどうやって飛んでいるのじゃ? 見たところ上から火を燃やしているだけのように見えるのじゃが」


「ええ~と、確か上昇気流を利用しているんだけれど……ノア、詳しく分かる?」


『はい、お任せください。温かい空気は冷たい空気より軽いため、温かい空気を大きくて軽く空気を逃さない素材へ送ることにより浮く力を得ることができます。空気を熱するほど上昇し、上部にある排気弁を開けて温かい空気を逃すと下降していく仕組みとなります』


 さすがノアだ。俺よりも丁寧に説明してくれる。


 バーナーの火力と排気弁で高度を調節し、方向は相変わらずすべて風任せだ。


「……ふむ、そうなると火魔法と風魔法が使えればこの気球と同じ物が作れるのではないか?」


「言われてみるとこちらの世界の技術でも再現できそうかもな。あとは空気を通さないナイロンとかの素材があれば可能なのか」


『そうですね。それとバーナー付近は熱にも強い素材でできているので、そういった素材があれば可能だと思います』


「ナイロンという素材がよく分からぬが、魔物の素材などで代用できればよいのう」


 あとは気球を大きくしたもので飛行船というのもある。あれは熱した空気ではなくヘリウムガスとか空気よりも軽い気体を使っているんだっけか。


 とはいえ、この気球の技術もいろいろと悪用ができてしまいそうだから、他の人へ言わないようにしてもらおう。




『マスター、マーテル、前方よりなんらかの影が見えます! このままいくと衝突しますので、方向転換を!』


「っ!? マーテル、頼む!」


「うむ、左斜め方向へ向きを変えるのじゃ!」


 順調に気球での移動を行っていたところ、ノアからの警告が入った。そういった状況に対する行動は事前に決めている。


 この気球はマーテルが風魔法を使って後ろから前へ風を送っているので、それを右前方から当てることにより、ブレーキをかけつつ左方向へ向きを変える。


「鳥型の魔物みたいだ。まずいな、結構デカいぞ……」


 ノアが少し離れた場所にいる魔物の影を捉えたのも納得だ。普通の鳥よりも全然大きい。


 あのサイズの鳥型の魔物が気球部分に衝突すれば穴が空いてしまう。穴の大きさによっては墜落してもおかしくない。


「むっ、こちら側を狙っておるようじゃな。一旦風を止めて応戦するのじゃ」


『了解しました。こちらも下降していきます』


 鳥型の魔物は方向を変えたにもかかわらず、こちらに向かってきている。気球の球皮部分は蛍光色となっているため、だいぶ目立つから、獲物とみて襲ってきているのかもしれない。


 くそっ、こちらの方が大きいんだから向かってくるなよ。大きくても戦闘能力はないんだから。


「ギィィィィ!」


「ウインドカッター!」


 向かってくる魔物に対して、マーテルが風魔法で応戦する。


「うおっ!?」


「ぬわっ!?」


『マスター、マーテル、しっかりと掴まっていてください!』


 マーテルの巨大な風の刃の魔法が気球へ向かってくる鳥型の魔物を正確に捉えた。だが、魔物の勢いがかなりのものだったため、気球の一部にかすり、バスケットが大きく揺れた。


 必死で気球にあるバーにしがみつく。


『……もう大丈夫です。このまま一旦地上へ着陸します』


「了解だ。ふう~危ないところだったな……」


「か、かなり怖かったのじゃ……」


 バスケットの揺れが少しずつ収まっていく。マーテルもなんとか無事だったようだ。




「……少し穴が空いてしまっている。ノア、大丈夫なのか?」


『はい、これくらいでしたら明日には修復されていると思われます』


「よかった!」


 地上へ着陸したあと、気球状態のノアを見てみると、魔物に衝突していた部分に穴が空いてしまっていた。これくらいの穴であれば一晩で元に戻ってくれるらしい。


 いつものサイコロ状態の形状へ戻ると、穴はなくなるようだ。ノアが無事で本当によかった。


「……すまぬ、護衛を引き受けたのに申し訳ないのじゃ」


 いつもは天真爛漫なマーテルが落ち込んでいる。ノアを無傷で守れなかったことを悔しんでいるようだ。


「あれは仕方がないよ。むしろマーテルがいなければ間違いなくやられていただろうな」


『はい。私やマスターではなす術がなかったです。マーテルがいてくれて助かりました』


「う、うむ。そう言ってくれると嬉しいのじゃ」


 さすがにあれを責める気はない。ノアの言う通り、俺たちだけでは確実にやられていたから本当に助かった。


 これまで魔物と遭遇することは何度もあったけれど、事前に避けることができた。むしろ魔物の方からキッチンカーや原付を避けていたけれど、好戦的な魔物もいるらしい。


「よく考えると気球はかなり危険かもな……。地上ならすぐに方向転換して全力で逃げることもできるけれど、空だと急速旋回ができないのか」


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