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相棒が現代の乗り物に変形できる【万乗ビークル】でした!~剣と魔法の異世界で、今日は何に乗ってどこへ行く?~  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第20話 珍しいお客さん


「おおっ、こっちの照り焼きソースもうめえ!」


「昨日うまい飯屋があるって知り合いに聞いたけれど、本当だったな!」


「お買い上げありがとうございます」


 今日は朝からたくさんのお客さんが来てくれた。


 どうやら昨日ハンバーガーを食べた人から話を聞いて来てくれたらしいけれど、それにしてもお客さんが多い。この世界にはSNSとかがないのに口コミだけでこれだけの人が集まってくれるとはな……。


「お待たせして申し訳ございません、照り焼きソース味です」


「おう、ありがとよ」


 看板にはひとりで作業しているため、提供に時間がかかりますと新たに記載したのだが、それでも待たせてしまっている。ハンバーガーというファーストフードでもこれだけ時間がかかるのだから、手のかかる料理にしなくて正解だったな。


 洗い物はハンバーガーとポテトを載せる皿だけなのだが、それでもひとりでやると結構時間がかかってしまう。全自動食器洗い機が欲しいところだ。お客様を待たせてしまうのだけが少しだけ申し訳ない。


 銀貨1枚とそこそこ強気な値段設定にしたのだが、ここまで売れるとは驚きだ。ソースやイモを揚げる油などが自動で補給され、食材は一気に購入して割引してもらっているから、原価は一セットあたり銅貨2~3枚ほど。従業員は俺ひとりだし、利益率としてはかなりのものになっている。100個売ったら金貨7~8枚も儲かる計算だ。今のところはだいぶ順調である。




「いらっしゃいませ、何にしましょうか?」


「ハンバーガーとやらを頼む」


 順番にお客さんの注文を受けていくと、下の方から声がした。一瞬誰もいないと思ったけれど、よく見たら背の低い子供のお客さんだった。キッチンカーの開いている部分は少し高い位置にあるので、背が小さいと上からは見えないのだ。


 少し前に出て下の方を見ると、そこには輝く金髪の髪をツインテールにしている可愛らしい女の子がいる。こちらの世界ではよく見かける金髪碧眼で、まるで人形のように容姿が整っているのだが、それ以外に他のとても目を引く部分があった。


 彼女の耳は長く尖っている。この世界には獣人や鳥人、ドワーフなどの人族とは異なる様々な種族が存在しているけれど、エルフという種族を見たのはこれが初めてだ。トリアルの街で聞いていた話だと、かなり珍しい種族のようだ。


「ハンバーガーのソースの種類は4つありますが、どれがいいですか?」


「なに、そんなに種類があるのか? それでは一番人気があるやつを頼むのじゃ!」


「……はい、一番人気はソースマヨですね。ありがとうございます」


 エルフの女の子は一瞬驚いたそぶりをしたあと、一番人気のソースマヨを注文してきた。今のところはソースマヨだが、今日から新しく加わった照り焼きソースも人気なので、明日には入れ替わっている可能性もある。


 ただそれよりも『のじゃ』という言葉遣いが気になってしまった。エルフだし、もしかすると見た目通りの年齢ではないのかもしれない。この世界ではたまに見かけるローブを着ていて、エルフは魔法が得意と聞いているし、もしかすると魔法が使えるのかもしれない。


 この世界に来てから魔道具は見たけれど、実際に魔法を見たことはないんだよなあ。どうやら魔法を使える人は結構珍しいらしく、回復魔法なんかが使えるとかなり優遇されるようだ。先日遭遇した貴族の人の護衛にも回復魔法を使える人がいたし、やはり貴族に仕えたりする人もいるのだろう。


「お待たせしました。温かいうちに召し上がってくださいね」


「うむ、ありがとうなのじゃ」


 そう言いながらエルフの女の子はハンバーガーとポテトが載ったお皿を運んでいった。


 ふむ、のじゃロリエルフを見られてなんだか謎の満足感があったな。




「いらっしゃいませ。何にしましょうか?」


「ソースマヨ以外の味を全部頼むのじゃ!」


 そしてしばらくすると、再び小さなお客さんが現れた。さっきハンバーガーを購入してくれたエルフの女の子だ。さすがに印象が強かったから、まだ覚えている。


 どうやらソースマヨ味に満足してくれてまた並んでくれたようだ。……それにしてもこの小さな身体で全部で4つもハンバーガーを食べられるのだろうか?


「はい、ソースケチャップとオーロラソースと照り焼きですね。少々お待ちください」


「このハンバーガーとやらはとてもおいしかったのじゃ! 素材はまあまあじゃったが、あのソースが初めての味で驚いたぞ! それにあのイモは外側がカリッとしているのに中はホクホクして初めての食感だったのじゃ!」


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