67 ご褒美
「大分疲れてるようじゃのう、マモリよ。もう帰ってゆっくり休め」
そんな魔王の言葉に甘え、私はオートマタとリーフを、転送機能でダンジョンに帰還させた。
これからの作戦とかは、カオスちゃん人形を通して追って知らせるとの事。
まあ、作戦って言っても、獣の群れでしかない魔王軍らしい大雑把なものになるって言われたけど。
それはさておき。
戦いを終えてダンジョンに戻って来たんだから、気分転換がてら、とりあえず約束を果たそう。
私はオートマタを操作し、リーフの頭を撫でた。
「わ!? ご主人様?」
「お疲れ。よく頑張った」
私は仮面を外しながら、どことなく暗い顔をしていたリーフの頭を、できるだけ優しく撫でた。
奴隷の躾には褒める事も重要。
クロスケの時に学んだ。
その甲斐あって、あいつは決められた場所でトイレをするようになったし、この躾方に間違いはない筈だ。
その証拠に、リーフの顔が若干穏やかになった。
「あなたは、私の言った仕事をきちんとこなした。
だから、約束通りご褒美をあげる。少し目を閉じてて」
「は、はい」
リーフが目を閉じている間に、魔王との交渉の時に使った椅子とテーブルを倉庫から転送して、この場に置く。
続いて、DPを使ってある物を購入。
それをテーブルの上に置き、目を瞑ったままのリーフを椅子に座らせた。
「目を開けていいよ」
「はい。わぁ……!」
目を開けたリーフが感嘆の声を上げた。
テーブルの上に置いてあるのは、お子様ランチだ。
ただし、DPで出した日本のお子様ランチ。
前にカツ丼を出した時もそうだったけど、ダンジョンコアはダンジョンマスターの情報を読み取ってるから、こうして私の記憶の中にある日本の料理を出す事ができる。
そして、王都とかの食堂で出てきた料理を見る限り、食文化はこの世界より日本の方が上だ。
つまり、このお子様ランチは、この世界の住人にとってはご馳走になると思う。
「食べてよし」
「は、はい! いただきます!」
そうして、リーフは美味しそうにお子様ランチを食べ始めた。
お腹空いてたんだろう。
せいぜい、よく噛んで食べるといい。
私はそんなリーフを、なんとなくオートマタ越しに見続けていた。
そして、お子様ランチを食べ終えた後、リーフはウトウトとし出して、すぐに寝てしまった。
疲れたんだろう。
魔王とドラゴンがここを出発してから王都に着くまで結構時間があったし、その間、あの二人と一緒に居続けたら、そりゃ疲れる筈だ。
私が本体で同じ事をしたら、反動で10年は引きこもると思う。
そんなお疲れペットを布団に寝かし、私も疲れたので居住スペースのベッドで休む。
こうして、長い長い一日がやっと終わったのだった。





