表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺戮のダンジョンマスター籠城記 ~ヒッキー美少女、ダンジョンマスターになってしまったので、引きこもり道を極める~  作者: 虎馬チキン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/135

10 新たなる侵入者達

 ダンジョンの改造を行ったその日の内に、奴らはやって来た。

 私がカツ丼を平らげた後、MP回復の為に寝ようかと思っていた時、ダンジョンマスターとしての感覚が、新しい侵入者の出現を告げたのだ。

 こうして起きてる時なら、アラームに頼らなくても侵入者の存在は感知できる。

 こんな感知能力は人間にはない筈だから、私はもう人間じゃないんだと思う。

 種族欄もダンジョンマスターに変わってるし。


 それはともかく侵入者だ。

 今回の侵入者は五人、というか5匹。

 緑色の肌で醜悪な顔付きをした、人間の子供くらいのサイズのモンスター。

 私がこの世界で一番嫌いなモンスター、ゴブリンだ。

 性懲りもなく、また来やがった。


『ギィ?』

『ギギ』

『ギィ』


 ゴブリンどもが、鳴き声でなんか会話してる。

 その隙に、とりあえず鑑定しておこう。

 前回や前々回は、鑑定する暇がなかったし。


ーーー


 ゴブリン Lv2


 HP 10/10

 MP 2/2


 攻撃 5

 防御 3

 魔力 1

 魔耐 2

 速度 8


 スキル


 なし


ーーー


 弱っ!?

 なんか、予想以上に弱かった。

 物理系ステータスですら、私以下じゃん。

 こいつら、こんな貧弱ステータスで生きていけるんだろうか?

 ああ、いや、死んでたわ。

 私が今まで見たゴブリンどもは、例外なくリビングアーマー先輩に殺されて死んでたわ。

 じゃあ、今回の奴らも同様に始末しよう。


 そう思ってたんだけど、ハタと気づく。

 始末って、どうやってするの?

 ウチの戦力はリビングアーマー先輩一体だし、そのリビングアーマー先輩はボス部屋の守護者だから動かせない。

 新しいモンスターを作って迎撃しようにも、今はDPが枯渇してるから無理。

 そもそも、第一階層にモンスターを放ったら、ただの洞窟偽装作戦が頓挫するから、あんまりやりたくない。


 一応、侵入者のいないフロア同士なら、モンスターの瞬間移動と言うか、輸送ができるから、

 リビングアーマー先輩を突撃させてゴブリンどもを速やかに殲滅し、輸送機能でボス部屋に戻すという手もある。

 でも、その間はボス部屋が無防備になるし、そもそもリビングアーマー先輩はボス部屋から出すと弱体化するから、やっぱりこれもやりたくない。

 

 そうなると、こっちからは手を出せないな。

 その事を歯痒く思いながら、ゴブリンどもの動向を監視する。

 ゴブリンどもは夜目でも利くのか、ダンジョンの暗闇をものともせずに洞窟の中を歩き回った。

 しかし、しばらく洞窟の中を彷徨いた時点で迷子になったらしく、慌てた末になんか責任を押し付け合って仲間割れが発生し、1匹が死んだ。

 それによって、10DPが入ってくる。

 何やってんだろう、あいつら……。


 その後、4匹に減ったゴブリンどもは、ボス部屋を発見する事なく出口、というか入り口にまで戻り、そのまま去って行った。

 なんだったんだろう。

 でも、とりあえず死んだゴブリンの死体は還元しておこう。

 

 そうして、とりあえず脅威は去ったという事で、私は寝た。






 ◆◆◆






 翌日。

 バッチリ寝たおかげでMPが全快。

 早速、いつものように全MPをダンジョンコアに注ぎ込み、残り8611DP。

 これには、地脈からの自然回復分も入っている。


 そして、このDPで何をするかを考えた。

 まず思いつくのは、更なる階層の追加。

 突破困難な第二階層を造れば、防衛力が大幅に上昇し、リビングアーマー先輩の出番までの時間が延びる。

 そうすれば、昨日みたく第一階層に侵入者が入った程度でビクビクする必要はなくなる訳だ。


 次に考えついたのは、モンスターの作成。

 リビングアーマー先輩以外のモンスターがいれば、昨日みたいな事態が発生した時にも対応できる。

 ただし、やっぱり第一階層はただの洞窟に偽装しておきたいから、新しいモンスターを徘徊させるとしたら第二階層以降。

 そうなると、今回は見送りの方針かな。


 最後に思いついたのは、全額リビングアーマー先輩に貢いでしまおうかという事。

 今なら、前に考えたリビングアーマー先輩の材質チェンジもできるし、このDP全てを注ぎ込んでステータスとかも上げれば、スーパーな自宅警備員が誕生する気がしてならない。

 ただ……このステータス強化って、やっぱりゲームみたいに、上げれば上げる程、上がりにくくなるというか、強化する為に多大なDPを注ぎ込む必要が出てくるみたいで、

 ガチの強化をしようとすると、今あるDPでも全然足りないんだよなぁ。

 課金システムの恐怖というか、今、全額注ぎ込んで強化しても、中途半端な強さにしかならない。

 それでも相当強くはなるだろうけど、それやるくらいなら階層追加をやった方が堅実だとも思うし……。


 そうして悩んだ結果、今回は階層の追加を行う事にした。

 5000DPを使って、コア部屋の後ろに新しいフロアを造り、更に1000DPを使って第一階層と同じ迷路にする。

 これだけだと第一階層と変わらないので、更に1000DPを使って、各地にトラップを設置した。

 今回設置したトラップは、動く壁だ。

 結構な速さで動くので、上手くいけば侵入者を壁と壁の間に挟んでサンドイッチ、いや、ミンチにしてくれる。

 それだけじゃなく、壁が動けば道も変わって、マッピングが役に立たなくなるという優れもの。

 しかも、タイミングによっては、侵入者を分断までしてくれるという、迷路に仕掛けるならこれ以上ないようなトラップだ。

 有能。


 でも、これだけだと侵入者を困らせるだけで殺傷力と防衛力に欠けるので、この階層はまだ使わない事にした。

 つまり、この第二階層は現在、ボス部屋とコア部屋の後ろにある。

 侵入者がいるフロアの改造はできないというルールがあるから、やむなくこうした。

 お披露目は、もっと仕掛けを増やして完成してからだ。

 まあ、お披露目する相手なんていない方が良いんだけど。

 

 さて。

 これにて、残りは約1600DP。

 これは貯金だ。

 今使ってもどうしようもないし、それにDPを貯めておけばリビングアーマー先輩を戦闘中に修復するなんて裏技も使えるから、貯金はあるに越した事はない。

 言ってみれば、貯金額はリビングアーマー先輩の残機でもあるのだ。

 一撃で死んだら意味ないけど。

 ……そんな事ができる化け物が来ない事を祈ろう。


 こうして、今回の強化は終了した。

 またDPが貯まるまでは、前までと同じ戦力で防衛しないといけないけど、まあ、何とかなるでしょう。

 とりあえず、今日一日凌げば、また大魔導先輩が稼いでくれるんだから。


 そうして、MPが自動回復するのを待ちつつ、トラップを動かす練習とかをしていたら、またしても侵入者がやって来た。

 ……なんか、毎日侵入者が来てる気がする。

 おかしいな。

 ウチは侵入者お断りのダンジョンなのに。


 釈然としない感じになりながらも、侵入者の姿をモニターで確認。

 侵入者はゴブリンだった。

 またか。

 と思ったけど、今回は一味違った。

 ゴブリンはゴブリンなんだけど、なんか一匹変なのが交ざってる。


ーーー


 ホブゴブリン Lv20


 HP 200/200

 MP 15/15


 攻撃 159

 防御 138

 魔力 14

 魔耐 80

 速度 40


 スキル


 『棍棒術:Lv1』


ーーー


 鑑定してみたら、こんな結果が出た。

 強い。

 リビングアーマー先輩よりは弱いけど、前の侵入者三人組よりも強い。

 もはや、ゴブリンとは別種と言ってもいい強さだ。

 見た目も、普通のゴブリンと違って2メートルくらいの巨漢だし、横にも太い。

 力士とプロレスラーを足して二で割った感じだ。


 そして、そんなホブゴブリンの取り巻きっぽい普通のゴブリンが10匹。

 それが、今回の侵入者だった。

 これは、少し気を引き締める必要があるかも。


 とか思ってたんだけど、ゴブリンどもはボス部屋にまでは踏み込んで来なかった。

 洞窟の中間地点くらいまで進んだと思ったら、あろう事かそこに居座ったのだ。

 なんという事を!?

 帰れ!

 私の聖域から出ていけ!

 というか、お前らがいたんじゃ、何の為に第一階層にモンスターを放たなかったのか、わからないだろうが!


 もう今からでも、残りのDP使ってモンスター呼んで駆除してやろうか。

 そんな事を思っていた時、私の感覚が、また新たな侵入者の存在を感知した。

 またゴブリンだろうか?

 うんざりした気持ちでモニターを覗くと、そこには冒険者風の格好をした中年の男の姿が。


ーーー


 人族 Lv48

 名前 ゲイル 


 HP 820/820

 MP 297/297


 攻撃 701

 防御 710

 魔力 322

 魔耐 556

 速度 589


 スキル


 『剣術:Lv8』『盾術:Lv8』『隠密:Lv3』


ーーー


 強っ!?

 え、何こいつ?

 滅茶苦茶強いんだけど。

 装備も良い物で統一してるし、いかにも一流の冒険者って感じで、見てて背筋が凍る。


「これは……ヤバイかも」


 私は凄まじく嫌な予感を覚えながら、とりあえず、ゴブリンだけ殺して帰ってくれますようにと祈っておいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

殺戮のダンジョンマスター籠城記(1)
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ