表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理想の島/運命の赤い糸  作者: 大和香織子
運命の赤い糸
89/107

3

 その中の男の子二人の赤い糸が小指と小指で繋がっている。


 しかし、今のこの二人は隣同士にいるけれど、手など繋いでいなければ腕を組んだりはしていない。

 私は首を傾げながら、あのイケメンと大人しそうな人が……ゲイ? と不思議に思ってしまった。

中学生である今、二人はお互いの気持ちを知っているのだろうか?この二人のうちどちらからか告白するのだろうか?などと、つい下世話な事を考えてしまう。

 あまりチラチラ見るのも失礼なので、もう振り返らないようにして、赤い糸の先だけを追いかけた。


 目の前に見える眼科は、緑色の外壁で窓の周りに黒い円で線が引かれてあり、メガネをかけているような感じになっている。一階はメガネやさんになっているようで二階が眼科の様だ。


 最近、視力が悪くなってきていてテレビ画面の映像が見えにくいので、眼科に行ってメガネを作ってもらわなければと思ってはいたのだが、あいにくこの時間帯は閉まっているようだった。

カラーコンタクトにも憧れたりするけれど、目に異物を入れる勇気がないし、それよりもまずメガネを作ってもらおう。

メガネ姿に昔は憧れる事もあったが、視力が低下するとその不便なことと言ったら、とにかく相手の顔が見えにくいのだ。


もう少し歩いて行くと、ショッピングモールがあり、そう言えばこげ茶色の色鉛筆を買わなければならないことを急に思い出し、中へと入っていった。


 セールが終わりかけで一階の通路に70%オフの服が多数のワゴンに並べられてある。何か胸がときめくものがあるのだろうかとワゴンに近寄り、気になったものを手に取って見たが、どれも売れ残りという感じの洋服ばかりだったので、二階へと上がった。 二階のカバン売り場が気になり覗いて見ると、店の前に花柄の可愛い鞄がかかっているのを見つけてしまった。

すぐに手に取り鏡の前で自分に合わせてみる。


  自分にピッタリでとても気に入った。値札を見てみると、そこには5万円との表記が……。

想像していたよりもお高い値段に絶句した後に、その鞄を元の場所に戻し、こげ茶色の鉛筆を買いに本屋さんに向かった。


 面白そうな本を一冊見つけ、ザッと中を読む。

 画像が多く分かりやすいと思いながら、元にあった場所に戻そうとしたのだが、この一冊だけ、その場所に見当たらない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ