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理想の島/運命の赤い糸  作者: 大和香織子
運命の赤い糸
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2


 そこでもう少し先の駅まで乗る事にしたが、まだまだ続いている。結局、降りたのはその駅から五つ先の駅だった。

 駅に下り改札口を出て、赤い糸は右の方向に続いている。細い小道に入ると、以前テレビで紹介されていた惣菜屋さんを見つけた。

 その時に紹介されていたコロッケがとても美味しそうで無性に食べたくなり、近くのスーパーでコロッケが5個パックに入ったものを購入して食べたことを思い出した。

 私は食べることが好きだが、色々な店で食べ歩くという程でもない為、このお店の名前や住所は覚えていなかったのだが、店の看板を見て思い出したのだ。

 かぼちゃコロッケとじゃがバタコロッケを注文し、それが入った袋を右手に持ちどこか腰掛けれるところはないだろうか、と赤い糸を追いかけながら探した。

 そして見つけた所は、ジャングルジムのある公園で、ブランコの前のベンチに座り、袋からコロッケを取り出す。

 揚げたてでサクッとしていて、アナウンサーがテレビで言っていた感想通りにじゃがいもがクリーミーだった。

 コロッケ二つを食べ終えて赤い糸の先を再び追いかけた。酒屋の前を通ると、3メール先位に、学生のグル―プが喋りながら歩いている。


 横になって歩くものだから邪魔で仕方がない。

 そのうちにすぐ後ろの方まで追いついてしまい、会話が聞こえてくる。学校の先生の話やらお笑い芸人の話をしているようだった。

 「そう言えば知ってる?英語の鹿取先生不倫していたらしいよ」という声で思わず顔をあげてしまった。


 その鹿取先生の不倫相手がその話をしている子の塾の講師らしい。中学生がそんな内容を話していることに驚き、思わず後ろ姿をじーっと見てしまった。

 あれ?6人いる中の女の子の一人の赤い糸が近くで二つ繋がっている?よく見てみるとその先は右隣の男の子と左隣りの男の子の小指に繋がっていた。


 もしかして、不倫?!

 将来この女の子が不倫する?ということなのだろうか? 急にその子達の顔が見たくなってしまい、早歩きをしてそのグル―プを追い越す。

 追い越しざまにチラリと顔を見ると、自分の同級生の瑞菜ちゃんの顔に似た女の子で、目がクリッとしていて、いかにもモテそうなタイプだった。その両隣にいる男の子たちは……自分のタイプではなかった。


 あれ? 私は更におかしな事に気が付いてしまい、もう一度振り返って見ると、やはり驚いた光景がそこにあった。


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