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理想の島/運命の赤い糸  作者: 大和香織子
第五章 猛追
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6

 本当にもしそうなら今頃、大騒ぎになっているのではないだろうか?


「ねえ、浩、船本当に沈んだと思う?」

「船?ああ閻魔祭の」

「そう、停電でテレビも見れないし、何の情報も得られないし、もし本当に船が沈没するなんて事があれば、島中もっと大騒ぎしているわよね?」

「あんな大きな船が沈没するはずねえだろ?離島でみんな一緒にいるに決まってるだろ?」

「それじゃあ何で船が沈没したなんて言ったのよ?」

「それも佳代子さんが脅したかなんけじゃねえんの?もし本当にそんな事があればこの嵐の中でも外部から連絡があるに決まってるだろう?島には何の放送もねえし、大丈夫だって」

「でも……」

「でもじゃねえって、大丈夫だって。そんなに不安ならさ、俺たちの子孫を残そうぜ」


「もう、すぐそれ。浩ったら――」

「人間が子孫を残そうとすることなんて、生命が誕生してからずっとの事だぞ?」

「……ねえ、あそこ、誰か窓の外に立ってない?」

「は?どれ?俺のメガネ知らねえ?俺メガネがないと見えねえんだよ」


「本当に目が悪いわよね、すぐそこの事が見えないなんてさ」

「仕方ないだろう、0.1もないんだから。最近はコンタクトも面倒でしてねえし。で、どこだよ?どこに誰が立ってるって言うんだよ?ほら、俺見てくるからお前はここで待ってろ」

「えっ……でも……」


「いいから、どうせ猫かなんかを見間違えただけなんだから、この辺りは野良猫とか多いからなあ」

「うん、気をつけてよ?」

「大丈夫だって。俺様をなめるなよ?」


「ほーぉ、逞しいねえ」

「だろうが?まあお前は戸締りして、お菓子でも食ってろな」


 あんな事言って、カッコつけちゃって。



 口ではあんなこと言ってるけど、本当は猫が大好きで、わざわざ餌をあげに行ってるの知っているんだから。

 私がなんにも知らないと思って、でもこういうのって、はっきり言ったら男のプライドとかいうものを傷つけちゃうのかな?


 でもそんなに猫が好きなら部屋の中で飼ったらいいのにね。


 あ、でも浩ってアレルギー体質だもんね。男の癖にマメに布団干したり掃除機掛けたりしてるもんね。


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