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理想の島/運命の赤い糸  作者: 大和香織子
第五章 猛追
63/107

4

「今ここに何人います?」自分は飲み物を注ぎながら聞いた。

「1、2、3、4、5……19と自分入れて全部で二十三人だな」

「今後の為に名前書いていた方がええよ」


「そんなら、さっちゃん頼むわ。 ここの人の名前紙に書いとって」


「うんいいけど、なんか佳代子さんがこのパターンの後に殺人しでかしたから少し気味が悪いねえ」

「まあええじゃないさっちゃんが殺人鬼だって誰かがいっとるわけではないけん」

「まあね――」


『緑清二、松加信子、米井サチ、難谷四朗、柏崎勇、堀柳久子、千田賢吾、永宮キヨミ、桐石静子、寺野田きみ、坂倉正一、浅片トミ、本浦はる、星石清子、田浜文子、佐本ツネ、浦田フネ、池伊久美子、口谷達也、渡山博、野下修、白内昇、山崎智子』


「はいこれ、誰が持ってる?私一応自分様にもう一枚書こうかな」

「お茶とコーヒーも5人分あります、どうぞ皆さんお好きなのを取って下さい」

 どんどんと、自分が用意したお茶やコーヒーが口の中に入れられていく姿をニヤリと横目で確認した。

 喉を潤している飲み物の中から、殺人鬼の計画は始まって織と言うのに、それに誰も気が付いていない姿はやはり滑稽でしかなかった。


 殺人鬼がこの中に紛れているかもしれないと疑う人は誰一人としていないのである。

 自分は、この飲み物たちの中にかなり強めの睡眠薬を混ぜたと言うのに。皆美味しそうな顔をしながら、そしてまたゴクゴクといい音をさせながらのんでいる。


 その後、作戦会議を開きながらも、時間と共に欠伸をする回数が増えていった。


「すまない、眠くて仕方がない」誰かがそう言った一言に「色々な事がありすぎて身体も驚いて疲れが出たんだ、少し寝た方がいい」と意見を述べた。

 そのうちに、みんなは誰も反論することがないままに、そのまま床にゴロンと横になり皆眠った。

 自分の目だけはしっかりと見開いており、そして誰かが起きていないかを確認していった。

 だが奥の部屋にいる二人は睡眠薬が効かない又は飲み物を口にしていないのか起きていた。

 自分は二人にわざと近づいて行った。「みんなまるで睡眠薬を飲んだ様に寝ているけど、このまま待っていればいいのだろうか?」と呟くようにそのうちの一人が言った。


「自分は仕方なくここに来ただけで、家に帰りたいみんなで居たらそれだけで息が詰まりそうだ」と他の一人も言ったので自分はただうんうんと頷いていた。


「やっぱり家に帰るわ」そう言って一人が出て行くと、もう一人も後を追う様にしてこの家を出て行った。

「自分もコップ片付けたら出よう」と言いながら、二人が出て行くのをしっかりとこの目で確認した後にトイレで銃弾を詰め込み、そして一人一人の頭に「一、二、三、四……と数を数えながら銃弾を撃ち込んで行った。


こんなチャンスが向こうの方からすり寄ってくるなんて。そう言いながら最後の一人を撃ち終えた。





 名簿を開き緑清二、松加信子、米井サチ、難谷四朗、柏崎勇、堀柳久子、永宮キヨミ、桐石静子、寺野田きみ、坂倉正一、浅片トミ、本浦はる、星石清子、田浜文子、佐本ツネ、浦田フネ、池伊久美子、野下修、白内昇、山崎智子の名前を消す。  <残人口10名>



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