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「どうしたん?もしかして誰か島以外の人と連絡ついたけん教えにきてくれたん?」
「いいや、それはまだでして。ところで今敏子さんの家には沢山の人が避難してるんですか?自分も一人じゃ不安で」
「なんだあそれで敏子さんの家に来たってわけか。なんか敏子さんに佳代子の事とか教えに来たら玄関の方に倒れいてな」
「え、心筋梗塞とかだいじょうぶですか?」
「いや、敏子さん持病もっとるけんそのせいだろうよ、まあ中に入らせてもらい」
「はいすみません」
玄関先の靴の数を確認する。自分の靴合わせ三足が出ているだけであった。
「敏子さん、もう一人仲間が増えたよ、これで安心だね」
「お体は大丈夫ですか?倒れられたとか」
「あぁ大丈夫、薬を切らしてしもうてな」
「お二人だけでここにいいたんですか?」
「そうだよ、敏子さん置いてどこにも行けれないしねえ」
「そうですか」
「そういえば少し失礼します」
そう言いながら、銃を取り出し城黒千代子の心臓に銃弾を打ちいれる。
身体はその衝撃で後ろに飛び、そしてそれを目の前で見ていた瀬井敏子は床を這いながら逃げようとしている。
「あれ?城黒千代子さんはお助けしたのに、貴女はにげるんですか?」
「ヒ、ひと……殺し――」
「今頃気が付きました?でももう遅かったですね。家に入れてしまうなんてね」
そして瀬井敏子の頭を一瞬で貫通させた。
大変愉快で、心地いい感覚というものが身体中を駆け巡る。
城黒千代子、瀬井敏子の名前を線で消す。 <残人口34名>




