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理想の島/運命の赤い糸  作者: 大和香織子
第三章窮追
36/107

9

「相手は頭がどうかしているし、何をしでかすか分かりはしない」


「今も狙っているかもしれないし、どこかでそれを見てほくそ笑んでいるかもしれない」

嶋岸秀雄の言葉を聞き、大正解と心の中で呟いた。

 自分は黙ったまま何も言わず、ただ震えているフリをした。


「ここに三人で固まっていても何もなんねえ。俺がおとりになるから二人は少し離れた所で見ていてくれ」

「でもそれじゃあ嶋岸さん、あんたが……」

「戦わないと始まらないこともあるんだよ」そう言って右手で鼻を啜った。


嶋岸秀雄はそういうとゆっくりとホールのドアを開けて外の様子を伺った。そして大丈夫だと確認したあとに、足音を立てない様にして調理室の方へと向かった。

 その様子をホール付近で窺う。


 しかし、この距離だと二人のどちらを撃っても、自分以外の人がやったとは言い難い。

 調理室の中に入り何もない事を確認して、調理室を出てきたところで「あ、あそこ、出たー」と公民館の入口を出てすぐの廊下の方を指さして叫んだ。


 二人はこちらを向いた後に、すぐに外の廊下の方に目をやり、嶋岸秀雄はすぐにそちらへ向かって走りはじめ、そして少し距離を開けて崎谷義男、その少し後ろに自分が続いた。


 廊下を出るが見当たらない敵にしっかりと包丁を顔の前で握りしめたままそして曲がり角を曲がったのを見てからすぐに上着から銃を取り出し、そして頭を撃ち抜いた。

 「うわあああああああああ」と叫びながらそのまま、廊下からすぐ下の地面に飛び降りた。

「どうした?」と言いながら心配そうにして戻ってきた嶋岸秀雄に入口の方を指さして、大きな口を開けていかにも恐怖で動けない様な顔をして指さした。


 嶋岸秀雄は、崎谷さんと叫んだ。

その後すぐに「いい加減にすれ、なめるなよ」と言いながらこちらへと走り戻ってきて入口から中に入ろうとした所を、嶋岸秀雄の頭目掛けて一発打ち込んだ。

名簿を開き石赤勇と崎谷義男と嶋岸秀雄の名前を線で消す。  <残人口49名>


 畑下ヨモギの家のインターホンを鳴らす。


  応答はないので、裏に回り窓ガラスを叩く。


「畑下さんいらっしゃいますか?見回りにきました」しかし、返事はない。

「安全確認の為、勝手に失礼いたしますね」そう言って窓ガラスを横に開く。

カーテンを横に引き「失礼します」と言って中に入っていく。


その部屋には、誰の姿もなく、他の部屋へと回る。


ふすまを開けると、そこは仏間で、その中に布団を敷いて寝ている畑下ヨモギの寝顔をようやく、見つけた。


上着を開き銃を取り出し、そして心臓に一撃を与える。

血が噴き出るのを見ながら、銃口にふーっと息を吹きかける。


畑下ヨモギの足の上に腰を下ろし、そして男性物の時計の横に置いてある煙草を位本取り出し、ライターでカチッと煙草の先に火を点け煙を肺の中に入れ、ふーっと畑下さんの顔の方に煙を吐き出す。

名簿を開き畑下ヨモギの名前を線で消す。  <残人口48名>



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