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理想の島/運命の赤い糸  作者: 大和香織子
運命の赤い糸
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「可憐、今日の仕事はどうったの?」

「それがね、取材先でさ……私と約束をしていることを忘れていたみたいで、30分経っても1時間待っても来ないから家まで行ったら、本当に忘れられてて、その上原稿はまだ上がってないし、結局今日はその原稿が上がるまでずーっと待ってたの。もうさ、こういう事珍しくないけどさ、なんだか今日は疲れちゃってさ」

「そっかあ、大変だったね、可憐が悲しいと僕も悲しいよ。そうだココアを買って帰ったんだ、飲む?」


「うん、入れてくれるの?ありがとう」 

 イケメンボーイの蓮が私の為に熱いココアを注いでくれる。家の事は手伝ってくれるし、いつも好きっていってくれるし、カッコイイし、仕事は出来るし、身長も高い上に、私の愚痴までしっかり聞いてくれてる。

 完璧すぎるほどに幸せだった。


 だけど、KATURAGI会社の付き合いで休みの日にゴルフに出かけているある時に私は見つけてしまった。


「ヒューマンレンタル一時間2千円」怪しげなパンフレットを見ながら「なにこれ?」と中を覗く……。


 そこには色々な人の顔写真が載っており、何故かその中に蓮の顔があったのだ。 一体どういう事?


 私は蓮にどういう事か確認する為、蓮に電話を掛けた。しかし、蓮は電話には出てくれない。

 嫌な予感を感じ取りつつ、パソコンを開いてヒューマンレンタルについて検索した。そこには、


「人間を貸します。恋人設定、結婚設定できます。クラブや飲み屋等ではなくもっと本格的な疑似恋愛を楽しみたい方、胸がキュンキュンするような疑似恋愛を楽しみたい方、結婚願望がある方、結婚していることにしたい方、友人と一緒に映画に行ったり買い物にいったりしてリアルを楽しみたい方、全ての方の幸せを形にしました」

 その下には詳しい値段設定が書いてある。


 そして、画面をスクロールして、どんな人がいるのかを見る。しかし、これを見るには月額400円の会費を支払わないと閲覧できないことになっていた。


 財布からクレジットカードを取り出し、記載されている番号を打ち込む。会員になれたことを確認して、顔写真を見ていく。年齢層が幅広く下は18歳から上は86歳の方までいるようだった。

 そしてそこには注意書きが書いてあって、外部への転載を一切禁止します、とある。

 その理由として、あくまでも一般人である為とある。


 そして次のページ次のページと捲っていくと、そこには蓮の顔写真が記載されているのを見つけた。


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