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理想の島/運命の赤い糸  作者: 大和香織子
運命の赤い糸
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「ねえ、蓮君って会社でも物凄いモテるでしょう?」

「え?そんなことないよ」

「あ、嘘ついた。絶対モテるって、すっごいカッコイイもん。カッコイイだけじゃなくて可愛いもん、女子社員がほっとかないでしょう」

「どうかな、まあそれなりに、ってことで。僕と赤い糸が繋がっているのは、可憐なんだから。今も見えてる?赤い糸」

 確かに、それはそうだ。 私の左手小指から出ている赤い糸は、目の前にいる超イケメンで性格が良くて仕事も出来る蓮君の左手小指と繋がっている。

 ちぎれたりしないよね?なんて思いながら、左手小指を胸の前で二、三回引っ張る。すると蓮君の左手小指がかすかに動いた。


「うん、今も繋がっているよ」

「僕にはその糸が見えなくて残念だけど、何となく繋がっているような気がするよ」


その後も蓮君と色々な話をして、その店を出た。そこでのお勘定は蓮君が全て支払ってくれて、申し訳なく感じて「次回は私が払うよ」って言ったら「僕たちどうせ結婚するんだから、僕が払って当然だ」と、そう言ってくれて私の胸は益々ドキドキした。


 それから私たちは付き合う事になって、結婚に向かって順調に進んで行った。

 

 2016年3月医杉蓮と花美月可憐は籍を入れた。


 医杉蓮とは、1年の交際期間を経ての恋愛結婚だった。医杉可憐となった喜びをかみしめていた。


 初めて母に蓮君を紹介した時に「可憐、あんないい子いないわよ。今すぐ結婚なさい」と母は嬉しそうだった。


 その時は、結婚って言われても、プロポーズもされていないしただ「そうだね」と返事をした。私だって早く結婚をしたいけれど、私の方からプロポーズするっていうのも、しっくりこないし、ただ待つだけだった。


 それでも一緒にいられるだけで幸せだったし、不安になる度に自分の小指に繋がる赤い糸を見て、大丈夫だ、これがある限りなんて思って安心していたりした。


だけど、夢叶って医杉蓮と結婚する運びとなった。彼の父親は、彼よりもエリートな上に、やはり親子と言うのがよく分かる位にソックリだったし、母親もかなりの美人な上、専業主婦でいいところの奥様って言う感じだった。


 だけど、全然嫌味が無くて、寧ろ私が結婚しても仕事を止めないことについて、大いに賛成してくれ、その上、私ともものすごく性格や好みが似ていることが分かった。

 彼のご両親は本当にいい方で、私の事を本当の娘の様にして接してくれた。

 そうそう、結婚式の時には友人たちに、「あんなカッコイイ人と結婚出来ていいな、一体どこで知り合ったのよ」と言われたりした。


 さすがに赤い糸の先を知りたくて探しに向かったら知り合ったという様なことは言えなかった、だけど、本当に幸せで幸せでたまらない。


 家に帰ったら、イケメンが「お帰り」って言ってくれて、その上そのイケメンが私の代わりにご飯を作ってくれたりして、もう毎日幸せで幸せで。


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