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第14章<王妃様と王様>

 「母上、ただいま戻りました。そして…」

少々言いにくそうに眉をひそめるアレン様に対し、王妃様は、少しも気にした様子もなく、

「なあに?」

と、明るく続きを促す。

「私の婚約者の出迎え方に、もう少し威厳というものを…」

「いいじゃな~い。威厳云々よりも、未来の娘に良い印象を持ってもらうことの方がだ・い・じ♪これくらい元気に登場したほうが、リリアーネちゃんも親しみやすいと感じてくれるんじゃないかしら?どう?成功したかしら?」

「え、えーっと…」

いきなり話を振られて困惑し、低レベルな反応しかできなかった。どう取り繕うかを考えていると、アレン様がストレートに伝えてくれた。

「母上、親しみやすいを通り越して混乱します。」

えっ!?そんなズバッと言っちゃっていいの?私のどうオブラートに包もうかを考えてた時間を返せ!1秒もないけど!

しかし、王妃様はそんな発言に少しも起こった様子はなく、軽く頬を膨らませて反論する。

「えー?別にいいでしょ。フィオがここらの筆頭だからって、見栄をはって、偉そうにするのは違うと思うし、そう教育したと思うけど~?」

「それとこれとは話が別です。威厳があることと地位にこだわることは別と存じます。」

「まあったく。細かいことを気にしていると禿げるわよ。」

「年齢的にその心配はありませんし、そこまでのストレスを溜め込むこともありません。それに、年で言えば父上の方が早いのでは?」

待て。争いの焦点がずれている。思い切って、ゆるゆると手を挙げ、発言した。

「あの~」

「なあに?」「なんだ?」

「話の焦点がずれていると思うのは私だけでしょうか…」

王妃様はふふっと笑い、アレン様は、はっとしたような顔をし、耳元をほんのり赤く染めてうつむいた。

自覚はなかったらしい。

「はっはっは。アレン、お前もまだまだだな。」

唐突に、明らかにこのタイミングを待って登場したであろう人物が声を発する。

おそらく、否絶対、彼は王太子たるアレンを呼び捨てにできる数少ない人物である、フィオの国王、ロイ。

彼は、アレン様とは違う真っ赤な瞳を持った、しかし、風になびく薄茶の髪がそっくりな、恐ろしく若く見える男だった。アレン様は21で、陛下が結婚したのは20だと聞いたので、どう計算しても40を超えているはずなのだが、一回り以上若く見える。先入観なしで見れば、アレン様の兄弟だと思ったかもしれない。

「それに、禿げるなどど…父は悲しいぞ。」

やはり国王陛下のようだ。悲しい悲しいと大げさに嘆く国王に、もう何もコメントする気が起きない。

「ああ、挨拶が遅れたな。私がフィオの国王、ロイだ。よろしくな。」

「リリアーネ・ルミナスにございます。どうぞよろしくお願いいたします。」

と、口では言いつつ

アレン様って、本当にこの二人に育てられたのかしら…恐ろしく性格が似ていないのだけど…

といったことを考えていた。

ただ、彼の青い目は王妃様似。髪色や顔の作りは陛下似だとわかる。瓜二つとは、このことを言うのだろう。

それでつい、

ちゃんとこの二人の子供だって一番の証拠が顔とわね。

と、口に出せば確実に消されるようなことを考えてしまった。

「まあまあ、外で立ち話もなんだし、お話の続きは中でしましょう~」

という王妃様の一言で、未だに蚊帳の外な状態の私を含めた四人は、城に入った。


更新がメッチャ遅いです。ごめんなさい!(m´・ω・`)m ゴメン…

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