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年末の姉2015 4

大富豪のルールについて(知らなくても読めるけど気になる人はどうぞ)

私の所では「スぺ3返し」「11バック」「縛り」「8切り」「革命」を採用

禁止上がりは「通常時の2」と「革命時の3」「8」「ジョーカー」です

http://playingcards.jp/game/daifugo/rule.html


※激縛

 階段縛りとマーク縛りが同時に起きている状況。仲間内ではそう呼んでいます。

 オードブルの料理、愛理姉の手料理はとてもおいしく、箸がとてもよく進んだ。理子姉となぎささんのチューハイ缶、百合姉と千秋さんのビール缶の空になった物が辺りに並び始める。百合姉と千秋さんの二人はとうとう日本酒にまで手を出していた。ここまで飲んでもまだ普通に会話が出来ているのだから驚きである。

 一方でお酒が飲めない俺たちはそれぞれが自分の飲みたい物を飲んでいる。美香姉は俺の腕にくっつきながらオレンジジュース、愛理姉はカルピス、希さんは紅茶を自分で淹れて飲んでいた。そして俺たち四人は現在進行形で大富豪をやっている。

 美香姉は一番先に抜け、俺と愛理姉と希さんの三つどもえになった。全員三枚ずつカードを残しており、これがなくなれば上がりである。

「ていっ」

 愛理姉が「クローバーの7」を出した。当たるとも外れるとも言えない無難な数字だろう。その次は希さんの番だ。希さんは少し考えた後、「クローバーのクイーン」を出した。この次にはクローバーの札しか出せないが……俺の手札には「クローバーのキング」がいる。

「クローバーのキング、激縛」

 愛理姉と希さんが頭を抱える。少し経って愛理姉が「ジョーカーの札」を出してきた。

「ここでジョーカーかよ……」

「愛理さんはここ一番で強いですねぇ」

「やったやったー!」

 愛理姉は最後に「ダイヤの9」を出して上がる。美香姉は俺の後ろから乗り掛かると手札をちらと見た。俺の手札には――「ジョーカー」と「スペードの5」がある。是非とも「ジョーカー」を決めて「スペードの5」で上がりたい。

 希さんは「ダイヤの9」の上にダイヤの10を重ねてきた。これが通れば希さんの勝ちではあるが、現実はそう甘くない物だと言う事を希さんに教えてあげなければいけない。

「ジョーカーです」

「それじゃあスぺ3返しで」

「げっ」

 ジョーカーを返されて負けてしまった。希さんが子供のように喜んでいる中、美香姉は俺の頭を後ろからポカスカといいように叩いている。希さんは愛理姉と抱き合って勝利を喜んでいた。いやしかし、美香姉、さっきのは仕方なかったって。

「将の馬鹿」

「ごめん、ごめんって美香姉」

「ねえねえ将君」

 愛理姉が希さんと一緒に俺の事をじっと見てきた。口元をにんまりとさせていて、これから何かよからぬことをしようとしているようにも見える。

「負けた人にはお仕置きしなくちゃいけないんだっけ?」

「え、俺そんなこと言って」

「ご主……将さん言ってたじゃないですかぁ」

 げ、なんだかこれはマズい空気だ。美香姉に助けを求めようとしたが、美香姉はよりによってこのタイミングで眠ってしまった。いや、これ、狸寝入りじゃないか? 助けてほしかったが、愛理姉と希さんに両横に座られ、いよいよ逃げられなくなってしまう。

「それじゃ、将君にいっぱいキスしよう!」

 愛理姉の掛け声とともに二人のキス攻めが始まる。理子姉となぎささんは話に夢中で気が付いていない。千秋さんと百合姉は気づいてはいるけどあえて無視しているようだ。いや助けてくれ、と思っている間にも二人に倒されてしまい、やわらかな二人の身体に包み込まれてしまう。

「将君。えっちなこと考えちゃだめだよ……?」

「これは罰ゲームなんですからね……?」

 二人に耳元で言われてしまった。頭の中がざわざわしてしまう。


次は9時です

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