潜る姉 4
※愛理姉視点
あとで将君からお話を聞いた所によると、どうやら布団に潜るのは美香ちゃんから理子姉、将君へとリレーのように順番が回ってきていたみたいです。とすると、残っているのは私が百合姉の布団に潜る事だけ。ううっ、どうしてよりによって百合姉なんだろう。
将君が潜って来た次の日の夜、私はいつも通りに皿洗いをしていました。最後の一枚を終わらせると、私は室内の物干し竿にぶら下がっているハンガーを取り、そこにかかっている体育着を取り出します。帰って来てからすぐに洗って干した物なので乾いているか心配でしたが、どうやらちゃんと乾いてくれたようです。
「百合姉はこれで喜んでくれるかな……」
風呂場の脱衣所で体育着姿に着替え、鏡でちゃんと全身を確認した後、意を決して百合姉のドアの前に立ちます。耳を当てますが何も聞こえません。眠っているようです。廊下の電気を消し、音を立てない様にドアを開け、中に入りました。
布団には一か所だけ山が出来ています。たぶん百合姉はあそこにいるのかも。暗闇の中でしばらく目を慣らした後その布団の山に迫ります。足元をそっと開け、中に潜ると、少し経って様子がおかしいことに気付きました。布団が暖かくありません。
「百合姉……?」
よく見ると布団の中には一本の抱き枕が入っていました。百合姉はベッドの中にいなかったので、仕方なく起き上がってその抱き枕を見つめます。どこに行ったのかと考えていると、突然、後ろから誰かに胸を揉まれてしまいました。
「ひゃあっ!?」
真っ暗で何も見えません。おばけさんが本当に来ちゃったと不安になってしまいました。そのおばけさんはとってもえっちで、私の胸や脚、そして大事な部分を手で撫で上げてきます。その度に身体によく分からない物が走って、ついおばけさんに身体を任せてしまいました。いつの間にか何かが足に絡みついていて、思うように動けません。
「やぁっ、おばけさん、乱暴にぃ、しないで……んあっ」
両手も何かでまとめられて上からつるされてしまいました。一応膝は床についていますが、真っ暗のため周りは何にも見えません。足と手が自由に動かせない中、私はとうとうおばけさんに対して無防備になってしまいました。半そで短パンの体育着なので、腕と脚がそのまま露出してしまっています。
おばけさんはまず、そこからじっくりと撫でてきました。動けない私はそれにじっと耐えるしかありません。ねっとりと隅々までなめられるような変な感覚でした。
もしかしたら近くに百合姉がいるのかもしれません。百合姉の名前を呼んでみました。
「ゆ、百合姉っ、意地悪しないでよぉ」
しかしなにも返って来ません。それどころか、私の身体を撫でている手が一人分ではなくなってしまいました。二人か三人くらいに囲まれているような感覚で、私の身体はそのおばけさんたちのおもちゃに成り下がってしまっています。このままじゃまずいです。
「やめて! おばけさんたちあっち行って!」
私の叫びもむなしく、とうとうおばけさんたちは私の胸を体育着の上からぐいっとわしづかみにしてきました。い、いつもは百合姉相手だから慣れてはいるけど……真っ暗な中でされてるから怖くて、もうだめかなって思っちゃって。
このままおばけさんたちの慰み物になっちゃうんだ、と思ったその時、百合姉の部屋のドアが開いて光が差してきました。おばけさんたちの感触は消えました。中に入って来たのは百合姉です。嬉しさと、さっきまでの恐怖の反動で泣いてしまいました。
「百合姉っ!」
「あら、愛理。どうしたの?」
驚いたような表情で私に駆け寄って来る百合姉。部屋の電気は付きましたが、私の周りには誰もいません。ほんとうに、ほんとうにさっきのはおばけさんだったのかな。
「おばけさんたちにえっちなことされちゃった」
「よしよし。私がいるから、もう心配しなくていいわよ」
「ふえぇっ……」
百合姉に両手の縄をほどいてもらって、しばらくぎゅっとしてもらいました。




