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テスト勉強の姉 3(終)

「……で、これが女の人の大切な部分の絵。名前はコレだけ覚えればいいわ」

「あ、ありがとう」

「本当は実際に見た方がいいけれど……ねえ、将はどうする?」

 百合姉は穿いていたジーパンに手をかけながらそんなことをたずねてきた。思わず動揺してしまい、その隙に百合姉にさらに接近されてしまう。顔と顔の距離が数センチくらいにまで縮まり、息が顔にかかる。

「ねえ?」

「み、見たいです」

 しばらく経って自分が何を言ったかをやっと理解した。あ、と思っても後の祭り。百合姉はマジでやる気になってしまっているのか、ものすごくうれしそうな顔をしてジーパンをお尻の所まで下げた。スルスルと衣類がこすれるような音がして、この状況はさすがにまずすぎると何か打開策を練り始めるが、彼女の睨みひとつで全てが吹き飛んだ。

「変態」

「すいませんでした」

「そうね……先に将の『モノ』を見た方がいいのかもしれないわね」

 気が変わったのか、百合姉は俺が下に来ていたものも脱がせ始めた。頑張って脱がされない様にしているのだが、なんせ百合姉は力が強い。油断したらこれはやられてしまう。それに今のこのタイミングは非常にまずい。なんとかしなければ。

「そんなに隠すなんて、何か見られたくないモノでもあるの?」

「い、いや、流石にこれはマズいんじゃないか百合姉!?」

「人のは『見たい』って言った癖して」

「返す言葉もございません」

 もう百合姉には何をやっても勝てなかった。地面に倒されたまま、とどめを刺すように百合姉は唇を重ねてくる。大人の味がするキスであった。身体が彼女と密着しているせいか、身体中が百合姉を強く求めてしまっていた。百合姉も同じなのか、抱きつきもいつもより強いように思える。

「んんっ、ああっ……んっ」

 時々息継ぎをしながらキスを続ける。ぼんやりとし始めた百合姉は、口元にだらしない笑みを浮かべ、今度は「百合姉が下になった」。身体を固定されていたため、いつの間にか俺が彼女の上に立つような姿勢になる。これは新しい刺激であった。

「ここからは自習。私の身体を使って勉強しなさい?」

「は、はい……」

 百合姉の胸に顔をうずめ、そのままずっと抱きついてしまった。下着がないせいか、彼女のもちもちとした胸の形がダイレクトに顔に伝わってくる。

「良く出来ました。んん、ああっ、もう、お姉ちゃんにこんなことをしちゃって……」

 そこから先はあまり良く覚えていない。


 テストが終わった。色々と返却され、その成績表が家に郵送されてきた。それを姉さんたちと五人で見ていると、理子姉がなにやらぼそっとつぶやく。

「あれ、将君、保健体育だけ成績かなりいいね」

「そ、そうか? 割と他の教科も頑張ったぞ」

「……数学は私が教えた」

「むーっ、家庭科以外将君に負けちゃったよ」

 百合姉は何も言わずにこちらを見つめてきた。その視線に貫かれ、思わず口がにんまりとしてしまう。すると、彼女の眼光が鋭い物に変わり、すぐさま萎縮させられた。

「でも、保健体育って……アレだったよね?」

 愛理姉と美香姉が顔を赤くしながら見合った。そして、何やら不審な目で俺の方を見つめてくる。うお、嫌な予感しかしないぞ。

「私が『手とり足とり』教えてあげたのよ?」

 百合姉が逆方向に援護射撃をぶっ放した。美香姉と愛理姉の顔がぞぞぉっと青ざめ、しばらく経って何を言ったのかを理解したのか、再び顔を赤くして俺に言い始める。

「将君のばかぁ! 百合姉とえっちなことをしちゃうなんて!」

「……最低」

 二人に怒ったような目で見つめられ、俺はもうどうしようもなかったのでため息を吐いた。百合姉が意味深な目でこちらを見つめてくる。百合姉、助けてくれぇ。

「いやそれは誤解だから二人とも!?」

「何とぼけてんのよ。将に色んなところ触られちゃったんだから……」

 火にガソリンを注いだ百合姉は、後はもう知らない、と涼しい顔で笑っていた。その後、愛理姉にフライパンで何回か叩かれ、美香姉にグーでパンチを食らい、理子姉にバックブリーカーを決められたのは割愛しておく。


ぜんぶ百合姉が悪い

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