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家族会議の姉 3(終)

 数時間後。俺と理子姉は百合姉の部屋で説教を受けていた。

「何で理子もそういうことをするのかしらね……」

「そ、そんなつもりじゃなかったんです」

「言い訳無用。姉弟なんだから、やっちゃいけないことはやらないこと」

 百合姉は俺の近くに来ると、顔を寄せて頬にキスをする。いい香りがした。

「『そういうこと』は私の仕事だから、いい?」

「アッハイ」

 理子姉が正座で身を固くしたまま返事をする。百合姉はそれを聞くと満足そうに笑った。丁度その時、ご飯が出来たのだろう。愛理姉が百合姉の部屋に入って来た。

「お姉ちゃん、ご飯出来たよ」

「じゃあ、行きましょう。あ、あと愛理。ゲームの話、聞かせてもらうから」

「ええっ!? な、なんで私だって知ってるの!?」

 それを聞いた百合姉がニヤリを笑った。愛理姉が凍り付く。

「お仕置き、ね?」

「ひぃぃぃぃ!」

 逃げるように去っていった愛理姉を百合姉は追いかけていった。残された俺と理子姉は、お互いに顔を見合わせた後、嵐が去ったため微笑んだ。うむ、だがさっきの理子姉は危なかった。本当に越えてはいけない線を越えてしまいそうな気がした。

「……私は、嫌じゃないから。いつでも言ってね」

「……おう」

 何だか気まずい空気が流れていたが、理子姉は場を切り替えるかのように、立ち上がって俺の両肩をぽんぽんと叩いた。俺も立ち上がると、理子姉はぎゅうう、と抱きしめてくる。理子姉の頬はほんのりと赤く染まっていた。

「私、どうしようもないブラコンだから。将君の事が大好きだから」

 その言葉にただ、ありがとう、とだけ返した。理子姉はしばらく、抱き続けていた。そして、俺を離すと、理子姉はそれじゃ、と言って去っていった。一人百合姉の部屋に残され、虚しいような気持ちになってしまった。

「……理子姉」

 テレビでの理子姉はあながち間違っていないのかもしれない。弟大好きのキャラクターで通っている理子姉は、家でもその通り、俺の事を大切に思ってくれている。

 理子姉となら、線は越えられるかもしれない。いや何を考えているんだ。そんなことをしてしまったらもうこの家にはいられない。でも、理子姉となら……うわぁぁぁぁ。


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