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新婚っぽい姉 1

 愛理姉と2人きりになった。百合姉は千秋さんの家へ、美香姉は友達の家に泊まりに、理子姉はお仕事で遠くへ行ってしまったため、1日を愛理姉と二人きりで過ごすことになったのだ。どうも、百合姉と美香姉が俺と愛理姉に配慮してくれたらしい。帰ってきたらちゃんと2人にも構ってあげることを条件に、愛理姉との生活が始まった。

 朝起きて廊下に出ると、台所からおいしそうな味噌汁の匂いがしてくる。ちらと覗くと、そこでは愛理姉がエプロン姿で味噌汁作りにいそしんでいた。何回か味見をしながら、うーん、と微妙な顔をし、調味料を入れて調整している。

「将君はこれでいいのかなぁ……」

 おたまで味噌汁をすくい、ちょいと口を付けて味見をする。うーん、とそのおたまで味噌汁をかき混ぜながら、また調味料を入れていく。調味料と共に愛理姉の唾液が。

 しばらく見つめていると、不意に愛理姉が振り返り、こちらの存在に気付いた。おたまをなべに掛けると、エプロンの下で胸をたゆんたゆんと揺らしながらこちらへ走って来た。そして、そのまま愛理姉に抱きつかれてしまう。

「おはよう、あなたっ」

「あなた?」

 聞き返すと、彼女はとても嬉しそうな顔をして言った。

「今日は新婚夫婦になるの」

「そ、そうか」

「将君が旦那さん。だから、おはようのキスをしないとね」

 そう言って彼女は唇を合わせてきた。朝のぼんやりとした頭に彼女の暖かさが直に伝わってくる。なんだか今日も頑張れそうな気がしてきた。

「もうすぐ朝ごはん出来るから、それまで待っててね」

 居間に向かうと、テーブルの上に何か封筒が一つあるのが見えた。大きめの封筒で、よく見ると某密林会社の物らしいことがわかる。名義には「白金 将」様と書かれていた。頼んだ覚えがないので百合姉が適当に頼んだ物だと結論付け、自分名義のその封筒を開けさせてもらうことにする。

 近くに丁度置いてあったハサミで封筒を開けると、中からDVDが二本出てきた。何かのアニメのDVDらしい。丁度愛理姉も朝ごはんの乗ったお盆を持ってきた。

「何買ったの?」

「多分百合姉が買ったと思うけど……なんだこれ」

 二本目はよく見るとDVDではなかった。ゲームである。そして、百合姉が買った物だろうという事が確定した。ゲームはゲームでも、これは……

「お蔵入り決定かな」

「……そうだね」

 姉物のエロゲーであった。しばらく棚にしまっておこう。あ、アニメDVDってこれのOVA作品だったのかい。どっちもお蔵入り決定じゃないか。

 正座していた愛理姉は少し恥ずかしそうにして、もじもじと脚を動かしていた。


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