表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
212/375

アドバイザーな姉 4(終)

 予約を取っておいたホテルはそれなりに夜景がきれいな所だ。ディナーの店と同じで人気のあるところは高くなるため、穴場的な所を頑張って探した。その結果取れたこのホテルのベッドに今、千秋さんはへろへろになって倒れている。

 俺が千秋さんの横に座っていると、彼女は窓の方を指さした。

「……雪」

「本当ですね」

 今日はホワイトクリスマスだ。千秋さんは指さした手で俺の肩をつかむと、そのまま俺の方を見た。彼女の腕の力が弱い。シャンパンで酔っているからなのかもしれない。

「千秋さん、一緒に寝ますか」

「……頼む」

 同じベッドに入り、俺は先制攻撃で千秋さんを後ろから抱いた。何か反撃が帰って来るかと予想していたらそうでなく、千秋さんは俺の腕の中でじっとしていた。そのまま俺の方に体の向きを変え、俺の動きに抗う事もなく寄り添ってきた。

「将……大好きだ、お前の事が大好きなんだ」

「俺も、千秋さんの事が大好きです」

「好きだ、好きだ、好きだ……好きだ……!」

 千秋さんの目からは涙が流れていた。彼女を強く抱くと、力が抜けるように俺の方にもたれかかってくる。もう、あの強気な千秋さんはいない。

 キスをすると、彼女の方からもしてきてくれた。酒の匂いは不思議と気にならない。間接照明で照らされたシックな感じの部屋の中で、千秋さんが俺の腕の中にいる。彼女の事が、とても愛しい。

「ぜんぶ、ぜんぶ将にあげる」

「……ありがとうございます」

 俺は、一線を超えない範囲で千秋さんの全てを堪能した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ