出し抜かれる姉 1
三つめの感想が届きました。
読んでくれる人がいるのはもちろんですが、コメントを残してくれる人がいるというのもありがたいことです。
クリスマス特番は順調に24日に更新します。一日でかなりの量を更新する予定。
ある日の夕方の事であった。俺の携帯電話になぎささんからメールが入り、それには「明日の午前6時に、一日分の着替えと金を持って玄関前に立っていてください」と書いてある。怪しいなと思いながらも俺は準備をし、その翌日午前6時に家の前に立っていた。するとなぎささんの車が目の前に止まった。ドアを開けると、なぎささんと目が合う。
なぎささんはいつもの仕事着のスーツではなく、少し青がかったセーターを着ていた。セーターに彼女の身体のラインが若干浮き出ていて、また、肌色のスカートや黒いタイツのおかげで色気が増していた。つい見つめていたくなってしまうが、そこは自重する。
車に乗り込むと、なぎささんはアクセルを目いっぱい踏んで家から走り去った。
「なぎささん、何でいきなり呼んだんです?」
「その……たまには、一緒にドライブでもどうかなって」
「ドライブ?」
「う、うん。将さんと出かけてみたかったから……」
俺の質問に頬を赤く染めるなぎささん。それが俺の脳天にスレッジハンマーを打ち付けたような衝撃をもたらした。あまりの可愛さに口元が緩んでしまい、理性を維持させたまま口元を慌てて隠す。彼女にはどうやらばれなかったようだ。
なぎささんは車を走らせながら、俺の方にコーラのペットボトルをよこしてきた。それを受け取って飲むと、彼女は俺をミラー越しに見ながら微笑む。
「どうしたんですか?」
「それ、私の飲みかけだったんだけどね」
「ぶっ」
く、車の中で吹いてはいけない。落ち着いてコーラを飲み込んでミラーを見ると、なぎささんの満足そうな笑顔がそこにあった。あ、遊ばれたのか俺は。
――白金家にて
「将君がいないよぉ」
「……理子姉、メール」
「あ、なぎさちゃんからだ……えーっと」
「……将さんを一日お借りします、だって」
「うわぁぁぁぁん! 将君と一日中むにむにしたかったのにぃぃぃぃ!」




