留守番の姉 2
焼きそばが出来た。二人だけの食卓だけど、美香ちゃんは何だか楽しそう。朝の寂しがり屋がどこかに行っちゃったみたいで何だか逆にこちらが寂しい気もする。私の隣に美香ちゃんがちょこんと座り、自分の分の焼きそばをずずずとすする。
「……おいしい」
「おいしい?」
「うん」
口から麺をペロンと出していながらも美香ちゃんはうなずいた。その後に慌ててすする光景がとても可愛く見えてしまう。早く抱きしめたいから私の食べるスピードが速くなり、知らない間に美香ちゃんの分の焼きそばの量をちら見していた。
私が食べ終わって少しした後に、美香ちゃんが完食。待ってましたとばかりに私が抱き着くと、美香ちゃんは少し驚いた後に私の胸元に埋もれた。そのまま畳にごろごろと転がり、日の当たるところで仲良くぼおーっとする。
「……ねむい」
「子守唄、歌ってあげる?」
「お願い」
美香ちゃんが頼んでくるものだから、私はそれを歌ってあげた。なでなでしながら歌っていると、美香ちゃんは私の気づかないうちに夢の世界に行ってしまったらしい。私の腕の中で、安らかな顔をして眠っていた。
お日様の力で私も眠くなり、その場で目を瞑る。美香ちゃんの抱き枕は将君のそれとは違った感じがして、またいい。あったかい光を浴びながら、私も夢の世界に落ちていった。




