留守番の姉 1
理子姉と美香姉のお話です。
休みの日、将君は愛理ちゃん、百合姉と一緒にお外へ出かけて行っちゃいました。私と美香ちゃんが家でお留守番です。今日は美香ちゃんと一緒に何かしようかな。
「……理子姉」
「なぁに?」
「……寂しい」
美香ちゃんはそう言うと私の方に寄り添って来ました。将君がいなくて何だか寂しい気がするのは私も同じ。でも今日は私が将君の代わりになる日だから、美香ちゃんと何か思い出を作らないとね。えーっと、何があったっけ……そうだ。
「一緒にお昼ご飯つくろっか?」
「うんっ」
「よしよし、いい子いい子」
私が美香ちゃんを撫でてあげると、美香ちゃんは私の胸元に飛び込んできた。まるで愛玩動物とたわむれているようで、抱きしめていると悩みが吹っ飛んじゃう。お仕事でいろいろストレス抱えてたりするから、たまにはこうやってゆっくりしないと。
まだ朝の9時だけど、早めに準備しても文句は言われないよね。
台所で美香ちゃんと一緒に焼きそばを作っていました。市販の焼きそばの麺が家に残っていたから、その作り方を見て頑張っている途中。美香ちゃんがおぼつかない手でキャベツを切っている姿が何ともかわいらしい。
私はフライパンを洗っているところで、隣の美香ちゃんにたびたび視線を動かす。手を切らないか心配な所もあるけど、美香ちゃんが可愛いからつい目がいっちゃうのだ。
「……理子姉、そんなに見ないで」
「ご、ごめんね」
「大丈夫」
なんだか恥ずかしそうに美香ちゃんは言った。だからかわいいんだよ、と頑張っているうちに、キャベツの支度の方が終わったらしい。フライパンも丁度洗い終わった。
「それじゃあえーっと……焼きそば作っちゃおっか」
「うん」
時間はまだ10時半。昼ごはんには早いかもしれないけど、早く食べて一緒にお昼寝でもしよう。そう思って、私はフライパンをコンロの上に載せた。




