表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
164/375

悪魔世界の特別公演 6

 翌日、理子姉のライブが開催される会場に来ていた。

 ボーカルの理子姉。ドラムの百合姉。ベースの美香姉。エレキのリリィさんとハービィさん。シンセサイザーのリーンさん。みんな揃っている。

「リハーサルはする?」

「理子さんが大丈夫なら私たちもOKです」

 リリィさんの言葉に、他の悪魔たちもうなずいた。百合姉、美香姉も大丈夫そうだ。

 ただ、百合姉は昨日の事があるので心配だ。

「……」

「……百合姉?」

「大丈夫よ、美香ちゃん」

 百合姉はそう言っているが、背中の辺りが何だか不穏である。もぞもぞしている。

 まだ美香姉たちは百合姉の変化に気づいてないらしいけど。人間界にこのまま戻れたらいいなぁとは思うが、まずはライブだ。

「じゃあ、そろそろお客さん入れますか」


 一時間後、理子姉のステージの周りはたくさんの悪魔で囲まれてしまった。

 裏の方で俺と愛理姉は売り子をすることになったため、いろいろ準備をしている。

「予想はしてたけど、お客さんいっぱいだねぇ」

「空でも飛べれば良いんだろうけどな」

「でも、将君と一緒だったら頑張れるよ!」

 そう言って愛理姉は俺に笑顔を見せてくれた。可愛すぎて憂鬱が吹っ飛びますよ。

 と、俺がのほほんとしている時、愛理姉が急にその場でしゃがんで縮こまった。なんだか具合が悪そうである。

「愛理姉?」

「ご、ごめんね……ちょっと背中の辺りがむずむずして……」

「背中の辺り?」

 涙目になった愛理姉が、かがんだ俺にすがりついてきた。そして俺を強く抱きしめると、その場でむーっと痛みに耐えるような声を出し始める。かわええ。

 何も出来ずに慌てていると、愛理姉の背中から白い翼がぽんと出てきた。

「……翼?」

「ふぇっ!?」

 愛理姉はすぐさま鏡の前に出て自分の姿を確かめる。自分の背中から生えた翼の存在に気が付いた時、その場でぴたりと動きが止まった。

「愛理姉、これって」

「……ふぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ