甘える姉 1
理子姉と話した通り、俺は一緒にドライブをすることになった。
今回はなぎささんはいなく、俺と理子姉の二人きりである。
「将君、近くのパスタ屋さんに行こうと思ってるんだ」
「パスタ屋?」
「うん。そこのパスタがとってもおいしかったから」
車を運転している理子姉はとても綺麗で、目が離せなかった。
長い間口を開けて見ていると、信号待ちで止まった理子姉がこっちを見る。
「どうしたの? 将君」
「い、いや、理子姉が綺麗だなって」
嘘をつくわけにもいかん。
そう思って答えると、理子姉は俺の方に唇を近づけてきた。
俺の右脚に理子姉の手が触れ、否が応でも鼓動が早まってしまう。
理子姉の息が顔にかかる。左手が俺の身体を包もうとしてくる。
唇がくっつこうとした時、理子姉は意地悪そうに笑って俺から離れた。
「……えっ?」
「青になったから行かなきゃ」
理子姉まさかの寸止め……? 少し期待した俺をどうしてくれる。
だが、理子姉が車の中で俺を抱こうとしたことが、非現実的で、そして恥ずかしかった。
外の人から見られたら。理子姉が運転してるとばれたら。キスまでしてしまっていたら。
いや、そんなことは今は考えなくていい! 落ち着け俺!
「もうすぐ着くよ」
「お、おう」
ミラー越しに理子姉の笑みが映った。




