不思議世界の姉 3
気が付いたら平原に着地していて、俺と理子姉は甲冑姿になっていた。
理子姉と俺はヘルムを取り、互いに見合って笑いあう。
「将君の格好変なのぉ」
「理子姉だって変じゃねぇか」
そんな事を話している間に、辺りで揺れを感じた。
「……」
「……」
大きな影。
後ろを振り向くと、そこには大きなドラゴンがいる。こんにちは。
……って言ってる場合じゃないよこれ! 嫌だ、これだと死ぬ!
「将君、よけて!」
「お、おう!」
夢の中とはいえ、潰されて起きるという嫌な起き方は嫌だ。
かといって今起きるにも、俺理子姉ともっといたいし。うん。
夢の中なら……そうだな。何か魔法とか使えたりしないのだろうか。
「剣は……あった」
腰にある剣を取り出し、俺は炎が剣を包むようにイメージをする。
途端に炎の剣が完成して、俺はドラゴンへ切り付けた。
ドラゴンはうめき声をあげると、一旦俺と理子姉から離れる。
「将君かっこいい!」
「ありがとな」
理子姉も青い炎で剣を包み、俺と理子姉はドラゴンの方を向いた。
「将君。行くよ」
「ああ」
ドラゴンがこちらへ向かってきて、炎の球を吐き出してくる。
俺と理子姉は同時に剣を振り、赤と青の炎で衝撃波を作った。
Xのような形をした衝撃波は炎の球を打ち消し、ドラゴンを上空で爆破させる。
辺りは静かになり、俺は理子姉の方を見た。
「理子姉、大変だったな……え?」
誰もいなかった。




