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不思議世界の姉 1
りこねぇむにむに
理子姉の胸に埋もれながら眠りについた夜のことである。
「……む?」
気が付くと俺は、謎の空間で一人ぼんやりと宙に浮いていた。
夢を見ているのであろう。自覚するなんて珍しいから楽しまねばな。
「将君」
声のした方を見ると、そこには理子姉が浮いていた。
あれ、一緒に寝ていたような……まぁいいか。夢の中だしな。
「お空を飛ぼうよ」
「ああ」
返事をした瞬間、周りの背景が変わって空になった。
理子姉と俺は手をつなぎ、辺りを自由に飛び回って遊ぶ。
途中から理子姉は俺に抱き着いてきて、キスをすることもあった。
理子姉は本当に綺麗で、ついぼおっと見てしまっていることがしばしばある。
「どうしたの? 将君」
「……いや、やっぱり綺麗だなって」
「ありがとね」
少し照れた。恥ずかしそうにしている理子姉がかわいく見えてしまう。
周りをたくさんの白い鳥が飛んでいき、俺と理子姉は一緒に旋回した。




