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私達の星春群像奮闘記  作者: Remi
9節 助っ人…登場?

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第155話 少しへこむ

 ペルセウス座は普通に、余裕そうに戦ってるように見える。

 しかし、さっきの佑希ゆうきとの模擬戦は魔力や星力を使いすぎたらしい。


 最後となった俺との模擬戦を前にまた少し長めの休憩となり、今はプレートに戻って沈黙している。


 概念体でも疲れとかあるんだろうか。

 それともやはり魔力が少ない現代では魔力不足に陥りやすいのだろうか。


 そんなことを考えながら、俺は研究所跡の壁際に座ってペルセウス座の回復を待っている。

 すると由衣ゆいが「ねぇまー君」と話しかけてきた。


「私達、星鎧を纏って戦ってるのに何で怪我するの?」

「それ私も気になってた」


 由衣の隣に座っている日和ひよりも続いて言葉を投げてきた。


 ……確かに、気になるよな。


 俺も完全に理屈をわかってるわけではないが、推測を口にする。


「服の上からでも怪我をすることがあるだろ。恐らくあれと似たようなものだ。

 星鎧は確かに俺達の身体を守るものだが、万能ってわけではない。受ける攻撃が強力だと普通に怪我するし、最悪死ぬぞ」


 すると2人は驚きと納得が混じったような返事をしてきた。


 会話が終わったので、俺は佑希の方に視線を移す。

 ちょうど佑希は鈴保すずほに「で、佑希」と話しかけられていた。


「さっきの奥の手、あれ何?」

「あれは分身。まだ不完全で星力効率も良くないからこっそり特訓しててさ。実戦では使ってなかったんだ」

「でも1回目の地下貯水路で、1人でへびの概念体と戦ってたときに使ってなかった?」


 鈴保のその言葉で、佑希が視線を逸らした。


 その後、佑希は「……見てたんだ」とボソッと呟いた。


「まぁね。チラッと視界に入ったぐらいだけど」


 あのときから使ってたのか……。


 あのときの俺は……何とか堕ち星を抑えようと必死だった。

 だから周りは見てなかった。


 隠してたとはいえ、通りで見覚えがないわけだ。


 ……いや、隠してただけでもっと前から使えていたのかもしれない。


 そんな推測をしながらも俺は確認のために、佑希に「あれが双子座の力か」と質問を投げる。


「……まぁ、そんなところ。でも戦術としてカウントはしないで欲しいかな。

 まだ使いこなせてないし」


 そう返されたとき、ちょうど手当てが終わったらしい。

 佑希はほむらさんお礼を言いながら立ち上がって、軽く体を動かし始めた。


 さっきの戦闘を見た感じ、既に十分な気がするが……。


 自分と同じように動く実体を持つ分身を作るだけで難しい。

 魔師の中でもできる人がいるかわからないぐらいだ。


 自分とは違う動きをする分身なんてなるとさらに難易度が高い。

 神遺保持者だからこそできる技と言っても過言ではないだろう。



 ……佑希はどこを目指しているのだろうか。


 そう考えていると、再び人型に成ったペルセウス座が目の前まで来ていた。

 そして「待たせたね、真聡まさと君」と声をかけてくる。


「模擬戦を始めようか」

「よろしくお願いします」


 そう返しながらも俺は立ち上がり、定位置となった駐車場の真ん中あたりに向かって歩き出す。

 左手でお腹の上を左から右へとなぞり、ギアを喚び出しながら。


 位置についた俺はペルセウス座の方を向き、いつもの手順で生成したプレートを差し込む。

 そしていつもの星鎧を生成する手順を取り、左腕で目を隠す。


「星鎧 生装」


 そう言葉を発するのと同時に、俺は左手でギア上部のボタンを押す。


 するとギア中央部から山羊座が飛び出し、紺色の光を放つ。

 その光は俺の身体を包み込み、その光で俺は紺色のアンダースーツと紺色と黒色の鎧を身に纏う。



 そして、光は晴れる。



 先に模擬戦を行ったメンバーのとき、全てでペルセウス座は俺達側に先手を譲ってくれていた。

 そのため、今回も俺に先手を譲ってくれるだろう。


 そう思いながら俺は初めに右手で杖を生成して、杖の頭をペルセウス座に向ける。

 そして5発、無詠唱の星力弾を放つ。


 しかしその星力弾をペルセウス座は、剣と盾を使ってあっさりと弾き飛ばしてしまった。


 だが予想通りだ。

 5回も同じような流れを見ていたから予想もつく。


 俺は怯まず次の手を打つために杖先を地面につけ、「草木よ、叩き落とせ!」と短く言葉を紡ぐ。


 するとペルセウス座の周囲から蔓が生え、手元を狙って伸びていく。


 俺の狙いは剣と盾を叩き落として、両手をフリーにすること。


 しかし残念ながら、蔓はペルセウス座の剣によってあっさりと切られた。

 襲い来る蔓を切ったペルセウス座は、そのまま回転切りを行う。


 すると蔓は根元から切られ、消滅した。


 所詮、草木魔術は星力を使った模倣品。

 強度はない。


 加えて俺は蔓しか模倣できてない。

 最低限のラインだ。


 だがこうも簡単に対処されると少しへこむ。

 流石は会話のできる概念体と言ったところか。


 ……いや、今はそんなことを考えてる場合ではない。


 俺は次の手を打つため、思考を巡らせる。



 しかし、ペルセウス座の方が早かった。



 「さて、じゃあ行くよ」と言葉を発した次の瞬間。

 もう既に元の位置にペルセウス座はもういなかった。


 だが5回も見た技に対策を立ててないわけがない。

 まず俺はバックステップで後ろに下がりながら、「土よ。我を八方から守る壁と成れ!」と短く言葉を紡ぐ。


 そして唱え終わると同時に着地し、杖先をもう一度地面につける。

 すると俺の周り、八方を囲むように高さ2m程の土壁が生成された。


 第一段階は達成だ。

 だがきっとこれくらいで止められない。


 俺は次に無詠唱で身体能力魔術を使い、土壁を蹴って空へ舞う。


 そして俺の身体は地上からだいたい……5m程の高さまで跳びあがた。


 戦場を見下ろすとペルセウス座が土壁の1つを破壊しようとしていた。


 だが壊す前に俺が上に跳んだことに気づいたようだ。

 既にこちらを見ている。


 だが、これだけで終わりではない。


 俺は次に移るため、地上に落ちながら「火よ、全てを焼き溶かせ!」と短く言葉を紡ぐ。


 すると地上に向けている杖の頭から炎が溢れ出す。

 その炎はペルセウス座の目の前にある土壁に直撃し、溶けた土が周囲に流れた。


 土魔術も草木魔術と同じで星力での再現品だ。

 そのため、本物の土よりも低い温度でマグマのような状態にすることも可能だ。


 しかし、ペルセウス座は土が溶け始めた瞬間に後ろに下がっていた。

 残念ながら炎そのものも、溶けた土にも当たらない。


 これなら当たるかと思ったんだが……そう上手くは行かないか。


 そう考えながらも俺は土壁が消滅した戦場に着地する。

 俺が体勢を立て直して再び構えると同時に、ペルセウス座は「なるほど……」と呟いた。


「真聡君は面白い戦い方をするね。

 それじゃあ……これはどうする?」


 その言葉を残してペルセウス座の姿が消えた。

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