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Constellation Knight 〜私達の星春〜  作者: Remi
7節 新たな出会い

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第099話 嘘をついた

「まさか、児島こじま君もだったなんて」

「ね〜!びっくりだよね」

華山はなやまさんも堕ち星について知ってたんだね。

 あと佑希ゆうきでいいよ」

「私は戦わないけどね。それと、私も智陽でいいから」


 あの後、私達はまー君の家に移動してきた。

 警察の人達が来て現場を調べ始めたし、外で話すと誰が聞いてるかわからないし。


 そして移動の途中で、近くで待機していたちーちゃんと合流した。 


 でもやっぱり秘密の話するならここだよね。広いし。

 ……まー君は嫌そうだったけど。


 そして最後にまー君がいつもの位置に座った後、「で、佑希」と口を開いた。


「何故選ばれた。結局星座は何だ」

「ふたご座。澱みに襲われたときに左手に星座紋章が現れてさ。

 その後、ほむらさんに出会って稽古をつけてもらってたんだ。」


 「そうだったんだ……」と私の口から言葉が零れる。


 ……あれ?だったら始業式の日で屋上で聞いた話、おかしくない?


 そう思った私は、「じゃあ、この街に戻ってきたのって……」と聞いてみる。


「もちろん戦うため。ただ父さんの転勤に合わせたから、2学期になったんだ。

 でもまさか、真聡まさと由衣ゆいが戦う仲間だなんて思ってなくて。だからあのときは嘘をついたんだ。ごめん」

「……さっちゃんは?」

「そこは嘘をついてない。『ゆーが戻るなら戻りたいんだけど!でも学校……!!』って言ってた」


 そこは本当なんだ。

 まぁ、さっちゃんも元気そうだから……また会えるよね。


 あとそれともう1つ。


「お兄さんは?」


 そう。

 再会初日だった始業式の日は嬉しくてすっかり忘れていたんだけど、ゆー君にはさっちゃん以外にも兄弟が居る。


 名前は和希かずきさん。確か……3つ上だっけ?

 あんまり話したことはないけど、さっちゃん達の家に遊びに行ったときとかに会ったことが勿論あった。


 ということを始業式の日の夜に思い出したから、次の日に聞いてみた。

 そのときは「大学だから独り暮らしを始めた」って言ってたけど……。


「そこも嘘じゃない。兄さんは今年の春から大学生だから独り暮らしをしている」

「そっか」


 そこも本当なんだ。

 じゃあ嘘をついていたのは、戻ってきた理由だけなのかな?


 そう考えていると、またまー君が機嫌悪そうに「焔さん」と言葉を投げていた。


「何で言ってくれなかったんですか。というかそれなら何で言ってないんですか」

「いや……お前達が知り合いだなんて思わないだろ。

 それに俺も俺で忙しかったんだよ。ちゃんと星座の力は回収してきたから。そう怒るなって」


 そう言いながら、焔さんとゆー君はそれぞれプレートを1枚ずつテーブルの上に置いた。


 でもまー君は、いつものように焔さんがスマホを持たないことの文句を言ってる。


 ……でも焔さんも何で持たないんだろう。便利なのに。


 そう考えていると、ちーちゃんがスマホ片手にプレートと睨めっこしていた。

 しろ君とすずちゃんも一緒に。


 そしてちーちゃんが「はと座……とびうお座?」と呟いた。

 その言葉に、ゆー君が「そう」と言葉を返した。


「まぁ両方とも概念体と戦ったのは俺だけど」

「そこはまぁ……仕方ないだろ」


 焔さんのその言葉に、まー君が「それはそうですね」と少し不満そうな声で返した。


 ……なんかわかる人にしか分からない会話をしてる気がする。



 でもそれよりも、さっきの堕ち星の方が問題じゃない?

 私は思い切って「さっきの堕ち星……結局なんだったの?」と言葉にする。


「というか、普通に喋ってたよね」

「つまり……あいつは強い、ってことか!?」


 すずちゃんとしろ君がすぐに参加してきてくれた。


 そしてそんな私達3人に、まー君が「落ち着け」と言ってきた。


「……確かにあいつは普通に会話できていた。へび座やからす座のようにな。

 だけど、まだその2体と比べると弱かった」


 その言葉に私としろ君はうんうんと頷く。


 まー君の言う通り、からす座と比べると今回のモフモフは弱かった。

 からす座とは何回か戦ったからなんとなくわかる。


 なんというかこう……からす座の方が力の使い方を知ってる……的な?

 もふもふはもふもふで、分身が辛かったけど……。


「そう考えると……さっきのもふもふは力を使いこなして……なかった?」

「能力は厄介だが、まだ甘い」

「倒すなら今……ってことだよな」


 しろ君のその言葉に、まー君は「あぁ」と肯定の返事をした。


「問題はあの能力をどうやって突破するか……」


 私達はそれぞれ考え始める。


 その数秒後、すずちゃんが「その前にさ」と口を開いた。


「あの堕ち星は何座なの?」

「こぎつね座だ」

「だからもふもふしてたんだ!」


 まー君の言葉にやっと納得できた私は、反射的にそう叫んでしまった。


 すると、部屋の空気少しだけ緩んだ気がした。


 ゆー君に至っては少し笑ってるし、まー君は凄い微妙な顔をしている。


 ……私なんかおかしなこと言った?


 しろ君は「まぁ確かにもふもふしてたよな」と言ってくれてるけど。


 数秒後、笑いが収まったらしいゆー君が「とりあえず」と口を開いた。


「もう少し様子見……でいいか?真聡」

「……そうだな。次であの分身の突破手段を見つけたい。

 できるなら倒してしまいたいが」

「了解。じゃあ、悪いけど今日は帰るな」


 そう言って、ゆー君は立ち上がって帰る準備を始めた。


 ……え。


「ゆー君帰っちゃうの!?」

「あぁ。今日は俺が買い物当番だから買い物して帰る必要があるんだ」

「そっか……」


 だって、お父さんと2人暮らしだもんね。

 きっと色々と大変だよね。


「……何か手伝うよ?」

「いや、いいよ。ありがとう。」


 そう返したゆー君はもう帰る準備が終わっていて、既に部屋を出ようとしていた。


 そんなゆー君に、まー君が「……堕ち星に遭遇したら連絡しろよ」と言葉を投げた。


「……あぁ。わかった。

 じゃあみんな、また」


 そう言い残して、ゆーくんは帰っていった。

 私達が口々に返事している間に、部屋の扉が閉まった。


 ……メッセージグループには参加したし、大丈夫だよね。


 そう考えているとすずちゃんが「私もそろそろ帰ろうかな」と呟いた。


「そうだよな……こんな時間だもんな。

 明日も学校あるしな……」

「みんな帰るなら私も帰ろうかな」


 しろ君もちーちゃんもそう言って、3人は帰る準備を始めた。

 スマホで時間を確認すると、もう18時を過ぎてる。


 家遠い人はもう帰らないといけないよね……。


 ……私も帰ろうかな。

 お母さん晩ごはん作ってると思うし、たまには手伝わないと。


 一方、焔さんが「ところで……」とまー君に話しかけていた。


「レヴィは?来てただろ?」

「帰りましたよとっくに」


 そう言って、まー君はソファーから立ち上がった。

 そして棚とかがある方に歩いて行った。


 私も帰る準備をしながら、2人のやり取りを見る。

 すると、まー君は棚から何かを取り出した。


「これ預かってた合鍵です」


 そう言ってまー君は取り出した物を焔さんに渡した。


 ……合鍵って、焔さんのだったんだ。


 そして、またまー君が焔さんに連絡についての文句を言ってる。

 まー君、かなり困ってるんだね……。



 ちなみにこの後。

 帰る前にまー君に晩御飯に私の家に来るかを聞いてみたら断られました。

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