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青い海、青い空、白い雲…… 赤い砂浜  作者: 風風風虱
第二章 我らその川を越えて行かん
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昭和17年8月18日 タイボ岬 午後11時

昭和17年8月18日 タイボ岬 午後11時

ルンガ飛行場の東 約35キロ


「点呼完了

総員916名 欠員なし 負傷者なし」


 一木大佐は上陸地点からすぐの密林に身を潜め、富樫大尉の報告を聞いていた。

 富樫大尉の報告に一木大佐は力強く頷いた。


「小休止をとる。小休止の後、夜間行軍に入る。

各自食事をとらせてくれ。

舟や補給品はここに置いていく。補給品の監視役を各中隊から一人ずつ抽出させてくれ」

「了解しました」

「それと……」


 一木大佐は自分の頬をばちんと叩いた。密林に入ったとたん蚊の大群に襲われて顔や首にたかられ、辟易していた。勿論、それは一木大佐だけではなく支隊全員が悩まされていることだった。軍から支給された虫除けを塗ってはみたがあまり効果がない。

 富樫大尉の顔にも何匹もの蚊が食らいついていた。

 

「司令部に無線連絡をしてくれ

《一木支隊、無血上陸に成功せり》」


 復唱し、去っていく富樫大尉を見送りながら、一木大佐はため息をついた。最初の難関を無事に抜けた安堵のため息だった。次の問題は敵情報の収集だ。

 すぐに斥候を出すべきかどうか、悩んでいた。敵情はすぐにでも知りたいところではあるが、夜中に小部隊を出しても効果は薄そうだった。


 さて、どうしたものか


 一木大佐、まとわりつく蚊を追いながら思い悩んだ。


2019/08/18 初稿

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