252話 お前に命を教えてやるよ。
252話 お前に命を教えてやるよ。
「ど、どうして……そこまで……」
「……」
「なぜ、そんなことができる! なぜ、背負える!! それほどの苦しみを! どうして! なんで!」
「そんなに不思議がることか?」
「それの重さは知っている! 誰よりも知っている! 背負いきれるものではない!」
「そうだな……重たいな……正直、捨ててしまいたい……けど、まあ俺以外では処理できそうにないし……仕方ないな」
「殺せばいいだろう! 私ごと殺してしまえば! つながりを絶ってしまえば、それですむだろう!」
「まあ、それも選択肢の一つではあるな」
「選択肢は、それしかない! ば、バカなのか、貴様は!」
「お察しの通り、俺はバカだ。俺よりバカなヤツは……あんまり見たことがない……」
「……もういい。貴様の気持ちはうれしかった。……ぁりがとう……最後に、誰かの暖かさに触れることができて……私は幸せだった……生まれた意味はあった……本当に……ありがとう……だから……」
「ミシャンド/ラ……過去形で自分を語るのはそこまでだ」
「……?」
「これからは未来を語れ。これは命令だ」
「……」
「お前に『命』を教えてやるよ……輝く明日を信じられる……そんな日々をくれてやる」
「なんで……そこまで……私なんかのために……私には……そんな価値……」
と、そこで、
センは、地獄の痛みの中で、
絶望を背負いながら、
しかし、それでも、
ニっと太陽のように笑い、
「お前は可愛い……助けるには十分な理由だ」
「……」
「あとは、召喚した者の義務とか……責任とか……あとは、出来るとしたら俺しかいないから、とか、あと『どうしても見捨てられないワケ』が一個……まあ『色々と並べるに足る理由』はあるが、やっぱり、一番の理由はお前が可愛いからだな。可愛い女の子が、苦しそうな顔で『殺してくれ』って言ってきたら、助けるのが男だろ。テンプレってやつだ」
「……ふ、ふざけるな……」
ミシャは、涙を流しながら、
「そんな理由で……背負えるものか……」
「こういう時に、いつも思うよ」
「?」
「言葉ってのは不完全だ……どうでもいいことは、いくらでも形にできるのに……大事な想いは、いつだって、思い通りの形にならない」
「……」
「だから、行動でしめす……」
黒い涙が流れる瞳で、
ミシャンド/ラを見つめて、
右手をさしだしながら、
「……もう一人で泣かなくていい……これからは、一緒に泣いてやる」
言葉はいつだって不完全で、
大事なことは形にしてくれないけれど、
でも、
「………………ぁりがとう………………」
届かないわけじゃない。
センの想いに触れて、
だからミシャは、センの手をとった。
ミシャの『業』を飲み込んだセンは、
その魂魄の奥底に、
強大な闇を抱えることになったが、
しかし、その結果、
ミシャは、『強大な力を持つだけの美少女』になることができた。
ちなみに、ミシャとセンの戦いには『ドーキガン・ザナルキア』という名の『勇者』も絡んできていて、なんだかんだあって、彼は、センの弟子となり『平熱マン』という高貴な名前をもらうのだが、
――それは、二次創作のお話。
タイトル『ドーキガン・ザナルキア~そして平熱マンへ~』
おもしろいよ!




