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銀髪幼女のスローライフ旅 ~お料理バンバン魔法バンバン~  作者: 滝川 海老郎


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第24話 新衣装

 王都エルシーラにトコトコと馬車で戻ってきた私たち一行は、再びメレーナ商会王都支店にお世話になっている。

 こういう商会には、上の階に泊まれるところがついていて、そこで生活もできるんだって。

 まあパパ様は社長というか会長だしね。


「それで、そろそろ新衣装を買いそろえたいかなぁと」

「いいですね、レナ様」

「だよね、どうフィオちゃんも」

「私もですか? 是非に!」

「やったー」


 ということでメレーナ商会ご推薦の、冒険者の服を買えるお店を教えてもらった。


「皮製メインで、こう胸当てとかミスリルにしちゃって、魔法少女みたいな感じの」

「ふむふむ」


 お店であーでもない、こうでもないと話をする。


「では、オーダーメイドのほうがいいですね。また小さいですし、既製品だと種類に限界がありまして」

「ですよねー」


 オーダーメイドのほうが高いのは当然だ。

 でも、お金は高級薬草を売ったり、ララベルでの報酬とかもあるので、けっこう余裕があった。


「では、お願いします!」


 私だけでなく、フィオちゃんもお揃いで。

 私のはピンク色のなんか、かわいらしいのになってしまった。

 もうちょっとカッコいいのがいいと思ったんだけど、断然おすすめはかわいらしいのだって。

 まあ、こういってなんだけど、今世の私、けっこうかわいい。

 自画自賛。


 さてフィオちゃんもかわいいので、こちらは、ちょっとカッコいい感じの黒髪に合わせた黒いゴシックドレスみたいな防具になることが決まった。

 ふふふ、これはこれでかわいいので、私も好きだ。


 一張羅だけあって、楽しみだ。



 そうして待っている間に、またこちらの教会の学校に通っている。

 学校によって教わる内容にも差があったりするので、行くに限る。

 こちらでも子供向けの学校は教会の付属事業なので、教会に行く。


「神は一週間で世界を作り、完成させたのです。だから一週間は七日なのですよ」

「へぇ」

「生きていると、辛いこともあります。それは神の試練かもしれません。何事があっても、神は私たちを見守っておられるのです」


 まあ、自覚はないけど、見られてるかもしれない、と思うことはある。

 その辺は、ちょっと転生者特有の感じ方があるというか。

 転生という超自然現象が自然なわけもなく、神の介入を感じるからなんだけど。

 でも、まだ会ったことがないんだよね、神様。

 どこで何してるのやら。


 会いたいとは別に思っていないけど、存在は感じるというか、きっといるんだろうな、とは思う。



 オーダーメイドが出来上がった。


「やった、かわいい!」

「えへへ、かわいい!」


 二人して試着して、わいのわいのと盛り上がる。

 これから冒険者稼業も難しくなってくる。

 高い物理耐性、魔法耐性を両立した、こういう魔法服はお高いのだ。

 で、子供向けは主に貴族向けで、なんだか派手なのが多いんだけど、私たちのは、どちらかというと豪華だけどかわいさに全振りされているタイプだ。


 写真とか撮りたいな、とは思う。

 まあないんだけどね。

 原材料の薬品がなんなのか分からないし、分離の仕方とかも当然知らないので、現代知識チートとかもできないのであった。

 黒いインクとかはあるんだけどね、インクじゃなくて感光塗料が欲しいんだよね、たぶん。


 ちょっと予算をめっちゃ使ったので、予備とかはない。

 まあ、こっちの世界では一張羅が本当に一張羅でずっと着ている人は珍しくないので、いいんだって。


 この新衣装を着て、バザール地区なども歩いた。

 王都エルシーラはフレミスよりも大都市なだけあって、色々なお店があった。

 ただし、値段はちょっと高めな気がする。

 王都だもんね、そりゃそうだよね。


 果物なんかもずらっと並んでいる。

 その量が本当に多くて、びっくりしちゃう。

 さすが世界でも大都市に数えられるエルシーラだけはある。

 露店も豪華なのだった。

 小さい秘密基地みたいなお店もあるけどね。ちょっと入りにくいよね、幼女には。

 まあ、どう考えても幼女では怪しい客だもん。

 こればかりはどうしようもなかったので、諦めた。


 スパイスは普通に売ってはいるけど、ずばりカレーっぽいものは、見つけられなかった。

 似たものはあるにはあるけど、あまり流行っていない。

 そんなものなのだろうか、と少し不思議だ。


 スパイスも南国原産だけでなく、各国いろいろなところから買い付けているらしい。

 この国、ベルクーリ王国は南北にちょっと長いので、南のほうへ行けば、それなりに南国だ。

 この前もマンゴーが売っていたしね。


 今度は南国のほう行ってみたいかな。

 これから季節は夏。

 どうせ熱いなら、もっと南に行ってもいいよね。

 むしろ、日本のほうが暑いとかあるので、南のほうが涼しいかもしれないし。


 この服に変えてから、明らかにお店の態度が違うんだ。

 前は、下級冒険者まんまだったもんね。

 今はそこそこいいところのお嬢様みたいな扱いになっているみたい。

 無下にされることもないし、馬鹿にされることも減った。

 態度悪い店はあるけどね、でもほとんど陽気な人が多いかな。

 これはお国柄だね。

 政治や経済が上向きだと、人も余裕があるみたいで、陽気なのだ。


 楽しくお買い物ができて、私は満足です。


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