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銀髪幼女のスローライフ旅 ~お料理バンバン魔法バンバン~  作者: 滝川 海老郎


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第20話 王都エルシーラ

 王都エルシーラへの道は、国の政治がいいのか、思ったよりも平らで揺れが少ない。


「直轄領の道はさすがだね」

「こういうところに国の繁栄が見えるんだよね、レナ様」

「そうそう。余裕ないと街道整備とか適当だもんねぇ」


 道がガタガタだと酔うわ、お尻痛いわ、散々な目に遭うので大変ありがたい。

 ラーミ村なんて道は酷いんだよ、歩きだったから犠牲にならなかったけど。

 あ、ワイバーン倒しに行った往復では、ちょっとアレだった。

 塩の街道側はフレミス伯爵もバーナル男爵もけっこう真面目に街道整備をしていたのか、そんなに悪い道ではなかった。


 雑木林と草原が点在している感じの間を道がずっと伸びている。

 あちこちに村があり、麦畑が延々と続いていた。

 ところどころに村の集落があって家が何軒か固まって住んでいる。


 空にはトンビ、スズメの群れ、謎の怪鳥とかが飛んでいる。


「あっちはツバメだね」

「なるほど」


 羽のつき方がちょっと違うんだよね。

 シルエットでもなんとなく分かる。


 あちこちにスライムやホーン・ラビットなども住んでいるようだった。

 さすがにボーパル・バニーちゃんはいないようだ。


「すごい竜車が列になってる」

「ほんとだー」

「すごいすごい」


 巨体の竜車が木を満載して列を作っていた。

 王都に向かうらしい。

 動きが遅いので、私たちの幌馬車は横に並んで、追い抜いていく。

 日本みたいに道に車がいっぱいではないので、こういうときは比較的簡単だ。


 本当はコンクリートかアスファルトがいいんだけどね。

 地球のアスファルトは主に化石燃料、石油の加工品のあまりなので、この世界にはあんまりなさそうなんだよね。

 コンクリートでもぶっちゃけいいんだけど、費用が高いという。

 轍が少な目なだけでも感謝しなきゃいけないね。

 これ、騎士団とかが定期的に通行していて、段差を見つけては場当たり的に埋めているんだと思うんだ。

 石畳全部ってわけにもいかないし。

 けっこうな労力ですごいんだよ。


 さて王都民に感謝しながらその王都を目指す。

 まだまだ先だけど、かすかに城壁っぽいのが麦畑の先に見えてきた。


「あれ、あれそうかも」

「本当だ!」

「きゅぴぴ」


 その壁は近づいてくると段々と高さが出てきて、本格的に城壁なのだと分かる。

 そのうちに、上の凹凸部分、狭間っていうんだけど、それもはっきりしてきた。

 フレミスでも見たけど、それを上回る本格的な城塞都市だった。

 フレミスのほうが年代が古いみたいで、ちょっと規模が小さい。

 歴史的に言えば、古いほうがいいんだろうけどね。


 最終的に見上げる高さの城壁がずらっと並んでいる。

 でも城壁の外にも農作業小屋とかなんか怪しい人の家とか並んでいる。

 拡張が間に合わないとこうなっちゃうんだよね。

 まあ、これはどこにでもあることなので、いたしかたないのだろう。

 どんだけ善政だろうと、門を通って中と外を移動するのが大変な人はいる。

 そうなると外に住んだほうがいいのでは、ってなるよね。


 大通りの正面の道は、二つの門が並んでいる豪華な仕様でびっくりする。

 その門を通過すると、中は一面大都市だった。

 まだ電車とか路面電車、自動車とかはない。

 でも馬車も多くて、町なんだなぁって思う。

 そうは言っても現代の都市みたいに馬車もひっきりなしではなく、門を通過しては、中に入っていく。


「すごーい」

「ここが王都です。レナ様」

「みてみてみて、すごいすごいすごい」

「もう、やめてくださいまし」

「ごめーん」


 フィオちゃんは前に来たことがあるのだろう。

 当然だよね、一緒に旅をしていたみたいだし。

 王都と塩の村ケーラス村の間は、主要街道で、ここで塩と麦、工業製品がお互い行きかう大動脈だもんね。

 ケーラス村周辺までくると、そうでもないんだけど、やっぱり往来は多い。

 フィオちゃんのパパ様もそうやって交易している人の一人なのだ。


「ここを曲がるよ」

「え、あ、うん!」


 大通りをずっと行くのかと思ったら右に曲がった。

 その先には裏通りがあって、こっちも豪華だった。

 その中にメレーナ商会王都支店があった。

 本店と同じかむしろ大きいくらいだ。


「ここ? すごい」

「でしょ。これでも大商会なんだから」

「そうだよねぇ」

「まあ、知らない人は知らない程度だけどね」


 それでもすごいんだから。

 何人もの作業員のお手伝いさんが仕事をしている。

 中をのぞくと、そこにはメイドさんが。

 何人かいて、お客様の対応などをしていた。


 私たちは正面に乗り付けて、荷物を下ろす。

 といってもマジックバッグに入ってるので、簡単だ。

 私の荷物に一時入れてあったものも戻してある。


 さて途中あちこちで休憩した。

 夜も何日か泊まった。

 その間に、私とレクスは薬草採取をしてため込んでいたのだ。

 その中に、上級回復薬で使う、レア薬草などもあった。


 売るなら一番物価が高い、王都でと思っていた。


「にしし」

「レナ様、悪い顔してる」

「分かる? 私は極悪商人のレナ。高級薬草を高値で売り付けます」

「まあ、そうだよね」

「あははは、この辺には草、少ないもんね」


 外は一面麦畑だ。

 人口をカバーできるだけの畑がどこかにないと、飢え死にしてしまう。

 プラスかマイナスか、という話で、当たり前ではある。

 だから空地が少ないのだ。

 もちろん川の岸辺とかには空地があるけど、それだけ。

 それから公園とかかな。


 あとは王宮の離宮。

 王都の中だけど、森が広がってるんだって。

 ちょっと興味があるから、今度見せてもらおうね。



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