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戦国ホームセンター  作者: 白苺
VS上杉輝虎編
34/68

第一部エピローグ

次回予告特に評判なかったのもありやめます(汗)その分本文の執筆に集中します。


感想たくさんありがとうございます。場面転換がわかりにくい等ご指摘いただき、反省しております。

この後は(ほぼ)主人公視点で展開いたします。視点・人物飛ばしませぬ。

作者のノリ自体が軽いのでそこは許して。



 随風様と俺は小田城を出てホムセンに帰ることにした。


 その際、東福寺と西福寺という寺が隣り合った近くを通ろうとすると俄に大雨が降り出した。雷も鳴り響き、気のせいか周囲の空気が光っている気がする。


「…これは?」

「相馬殿、どうなされた。」


 随風様が心配そうに聞いてくる。


「随風様、これは私がこの時代に現れた時の天気とよく似ているのです。

 特にあの先のなにやら光っているところが。」


 随風様には俺たちがこの時代のものではないことを見透かされ、以前お話してあったのだ。


「おお、となればあそこに行けば相馬殿は帰れるやもしれぬ、と。」

「しかし仲間たちを差し置いて一人で、というもの気が引けますし。」

「うーむ。とりあえずあの光っている辺りへ向かってみましょう!」


 と随風様に促されて俺たちは特に光が強く光っている方に向かった。


 近寄ると光は霧がぼおっと光っている、という感じではなくむしろ光の柱があるような感じだった。


 随風様はストストとずぶ濡れになりながら歩いていくとふと光の柱に触った。


「随風様!危ないかもしれません!」


 と俺はとっさに声をかけたが、随風様はすでに光の柱に手を触れており…

次の瞬間、随風様を中心に光がゴォっ、と集まると随風様の身体が光り輝き出した。


「随風様!」

 

 俺が駆け寄ると間もなく随風様の光は収まった。


「随風様!大丈夫ですか!」


 見ると随風様は倒れることもなく、腕組みして大きく息をしている。

 よかった。命は大丈夫なようだ。


「随風様!」

「相馬殿!」


 突然随風様は大音声で俺に話しかけてきた。


「我が名は随風にあらず!!!今この瞬間我は天啓を得た!!!


我 が 名 は 天 海 !!!」


「てんかい…天海大僧正!?」

「大僧正ではないが我は今随風の身を脱し、これからは天海となりもうした。」

「天海様…」

「相馬殿、これまで世話になり申した。この天海、天啓に従い西国へ参り、さらなる修行を積んでまいります。その後は必ず江戸崎不動院か川越喜多院へ参りますのでいつか再開しましょう!」

「天海様!」

「相馬殿も強く生きられよ!きっとこの先道は広がっております!では!!!」


 と力強く言い残して随風様あらため天海様はスタスタと…西の方に去っていった。


「随風様が天海大僧正…何ということだ。」

「随分驚いたようじゃな?」


 突然声をかけられて俺は今度こそ本当にびっくりして飛び上がった。


 いつの間にか雨はすっかりやんでいる。


「こちらじゃこちら。」


 後ろから年若い女性の声がする。狐か狸か、と不安になりつつ振り返るとそこには烏の黒羽、と言いたくなるような艷やかな長い髪をした美少女がいた。


 服は十二単のような感じだ。


「ど、どなたですか?どうしてここに?」

「我が名は滝夜叉姫。」

「タコ夜叉姫?」

「タコではない!滝じゃ。」

「その姫様がどうしてここに?」

「うーむ。それがわらわにもちょっと得心が行かぬのだが…。」

「はぁ。」

「妾は新皇、平将門公の娘なのじゃ。」


 …新皇平将門公と言えばちょうどこの辺りが本拠地だったはずだが…平安時代の方だからこの時代よりも600年ぐらい前の人のはずだ。


「姫様はこの時代より数百年前の方のようですが、亡霊?」


 と俺はガタガタし始める。


「うーむ。それがじゃな。妾は本名は五月姫というのじゃが父上が破れた後どうにか逃れてこの地で尼となり、平穏に生涯を終えたはずなのじゃ。」

「おお、ならば成仏してくだされ。」

「そうじゃ、と言いたいところなのじゃが、土地の者たちにも優しくされ、年老いてそろそろ成仏、と仏道に励んでいた所、突然辺りが光りに包まれてな。」

「と言うことは中身は老婆。」

「おなごに失礼なことを言うでない!」


 と扇で頭をパカーンと叩かれた。どうやら実体のようだ。


「すると光の渦にぐるぐると包まれてな、その時に色々分かったのじゃ。」

「といいますと?」

「うむ。どうやら父上が神となって『帝都東京』を滅ぼすためにタイショー時代へ飛び、魔人加藤とやらに力を貸そうとしたのじゃが…」

「東京はここから10数里ありますが。」

「それはおいておいて父上が平安の世から後の世に飛ぶために神通力を発揮したのじゃ。

それに妾はどうも巻き込まれてな。」

「まきこまれなんだすか。」


 言葉が驚きすぎて変になってしまった。


「そうだす。」


 姫も変に答えた。


「でな、その時代を渡る際にな、『伝承・伝説の思念の力』とやらを取り込んで父上は自らの力を高めたのじゃ。それに妾も巻き込まれてな。この様な姿に。」


 思い出した。伝説の滝夜叉姫といえば平将門公の娘であの丑三つ時の藁人形で有名になってしまった貴船神社に参詣し、超常の力を持って手下の夜叉丸、蜘蛛丸とともに戦ったという人物だ。


「では超常の力をつかわれるので?」

「うむ。やってみようぞ。夜叉丸!参れ!」


 とバッと手を前にかざす。なんかヒーローみたいでカッコいい…が何も出てこない。


「うーむ。どうやらこの時代に飛んで若返るのに全ての父上の力を使われたようじゃな。特に妖魔を操るような力は感じないでおじゃる。」

「…さようですか。姫様、この後はどうなさるおつもりで。」

「お主、相馬と言ったか。」

「はっ。」

「相馬と言えば父上の子孫ではないか。お主に付いていけば面白そうだから連れて行くでおじゃる。」

「マジすか。」

「マジじゃ。連れて行かなければ神となった父上がどこから見ておるかわからんぞ。」


 …いくらなんでも平将門公とどうこうするのは死亡フラグすぎる。


「では微力ながら。」


と雨上がりの泥まみれの道で平伏した後、俺は滝夜叉姫を馬に乗せ、自らは馬を引いて手子生城に向かったのであった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 色々と混ざってきましたなぁ。そのうち「仁」とか「義」の玉を持った八人の犬士とか、蜘蛛巣城とか風雲た○し城が出てきそう。
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