キ:道なき森の脅威
すいません。
投稿してから視点主の順番間違えてる事に気が付きました。
なんてこった!
ただ今から書き直せないので、今回はこれでいきますね。
ログインしました。
休日1日目後半の僕らは、『クロカンブッシュ大神殿』へ向かって森の中を突撃!
冒険者ギルドで地図を手に入れたら、出発地点の街へ転移して外に出てベロニカちゃんと地図を見ながら方角を確認。
あとはネビュラに跨って、いつもの森夫婦遠出スタイルで出発だー!
意気揚々と出発して、今夜のキャンプに想いを馳せたのも束の間……
──ポポー!
──ポポポポクルッポー!!
──クルッポー!!
「ハトォー!」
「多すぎだろ」
突き進む深い森の中、見上げる木の上、あちこちの枝の上に並んだハト! ハト!! ハト!!!
ビンズポッポ Lv15
胸元にくるんと緑色の巻き毛っぽい豆の蔦が生えてるそのハトは、グッと胸を大きく膨らませると、ポポポポポポポポポポポッとガトリングみたいに豆を連続で吐き出して攻撃してきた。
ハトが豆鉄砲くらうんじゃなくて、ハトが豆鉄砲くらわせてくる!
──ポポー!
──ポポポポポポーッ!
「いててててててて!」
「痛くない痛くない、ゲームだから」
「気持ちで痛ぁい!」
「まぁ俺もネビュラに当たった分のダメージも入るから地味に痛い」
レベルはあんまり高くないけど、ハトの数と連射の数が多いからダメージが積み重なって辛い!
そして問題がもうひとつ。
「ぬぅう、忌々しい!」
「勘弁してよ! 飛べないわよこんな中!」
そう、ベロニカちゃんが飛べないから、方角が確認出来なくてネビュラが本気で走れないのだ。
道が無いのも納得の森だよ。
こんな所で呑気に道路工事なんて出来やしないし、道が通った所で非戦闘NPCの馬車とかは多分通れない。
僕の腕の中で、カァカァとハトに苦情を申し立てているベロニカちゃんはちょっとかわいい。
「……ただ、相棒に豆当てたハトが、何匹か攻撃してこなくなってるんだよな」
「んー、僕っていうか……僕の腕の蛇に当てたハトかな?」
「蛇って……ああ、蛇型の杖か」
『報復の火炎蛇バングル』は、『主人に危害を加えた相手に恐ろしい幻覚を見せる。』って記述がある杖。
つまり、腕に巻いたこの蛇型の杖で敵の攻撃を受けると、敵が一次的に幻覚を見る……らしい。
僕の防御が紙だから、あんまり敵の攻撃受ける機会が無くて、最近までこの仕様に気付かなかったんだよね。
「どうりでハトがふらついてる……あ、落ちた」
「どんどん落ちて数減って欲しい!」
「焼け石に水」
ビンズポッポはアクティブみたいで、音と声を聞きつけてどんどんハトが集まってリンクするタイプのモンスター。
こういうタイプってまとめて片付けないと終わらないから面倒なんだよねぇ……
「あーもう! 【トリック・オア・トリート】!!」
キリがないから、とりあえず防御ダウンデバフを叫んでぶちかました。
……と、同時にバラバラと僕の周りに散らばる大量の豆。
「豆ぇええええ!」
「うん、そんな気はしてた」
でも……予想していない方向に効果があった。
周りのビンズポッポ達がぺしょんと俯いて、虚無の表情で乗っている枝に座り込み、豆を撃ってこなくなったのだ。
──ポー……
「……あれ?」
「……もしかして、弾切れか?」
完全にやる気が無くなったハト達は、確かに体に溜め込んでいた質量が減った感じで少し萎んでいる。
──…………ポ……
「そんな、空っぽになるほど豆押しつけてこなくても……」
「よっぽど防御が落ちるのがイヤだったんだな」
「鬱陶しい豆が止まったのだから良いではないか」
そう言うネビュラは、モフモフの毛にチラホラと豆が引っかかっていた。
哀愁漂うその背中から、そっと手で豆を払い落とす。後でブラッシングしようね……
とりあえず豆鉄砲の猛攻が止んだから、ベロニカちゃんがバサリと安全地帯から飛び上がった。
「どうせ進んだらまたハトがいるんだろうから、大まかな方角を定期的に確認するわ」
「うむ。ある程度進んで、ハトを大人しくさせたらまた確認して走ればよかろう」
ちょっとゆっくりめにはなるけど、とりあえず進むことは出来そうかな?
ひと段落した所で、僕は恐る恐るインベントリのウィンドウを開いた。
……うーわー……ただでさえ少ない僕のインベントリの空きが全部豆で埋まってるよ……これ何の豆?
【ハト豆】…品質★
ビンズポッポが吐き出す豆。
ヒトの口にはあまり合わないが、家畜は好んで食べる。
「……帰ったらニワトリとか羊にあげよう」
「何を? ああ、豆?」
「そう」
返事をしながら、僕はこっそりとハト豆を夫婦共有インベントリに移したのだった。




