キ:ログイン前に情報収集
(……どう? いる? いる?)
(あー……いないな)
(ぬあああーっ!!)
ゲーム内夜時間にちょっとだけインしてのツキワタリウォッチング。
初回は残念! 出会えませんでしたー!
(まぁ野鳥だから……)
(それなー)
* * *
さて、リアル昼食もとって、今日はとことん遊び倒す予定。
明日の僕らは体バッキバキになってるだろうけどね! そんな日もあるよ。
休日午後のエフォは、クエストで次に指定された神殿へ向かう予定。
でも、何も知らない場所だから、まずはログイン前に調べ物から始めよう。
「……これっぽいかな」
「あった?」
「うん……位置もあの街の北だ、ここでいいと思う」
有志wikiには、冒険者ギルドの世界地図をスクショしたデータが貼られている。
そこにはカーソルを乗せるとポップアップするデータが色々書き込まれていて、地図が広がった今は、検索機能がある分、冒険者ギルドよりもこっちで検索した方が早い場合もある。
「えーっと……名前は『クロカンブッシュ大神殿』」
「……なんか聞いた覚えのある名前だな?」
「あー、クロカンブッシュって、小さいシュークリーム積み上げたやつだって。お祝いとかのお菓子」
「ああ」
それが名前についてるって事は……なんか背の高そうな神殿だねぇ。
入場は当然フリー。そうじゃないとクエストの目的地にはならない。
……でも、この大神殿を名乗る開拓地は、なんと、そのもうひとつ先を行っていた。
「お、ここ『開拓権返上済』だ」
「うん? どういう事?」
「開拓地の権限を放棄して、運営に管理を戻した拠点の事」
「……え? じゃあ、開拓してたプレイヤーが何かの理由で『ここの開拓はもういいや』ってなったって事?」
「そう」
へぇー! やってる所始めて見た!
「返上しようとすると色々同意を確認する項目とか出てきて面倒らしいけどな……」
「利用規約みたいな?」
「そう、『後から開拓主には戻れません』とか『形が変わったり、イベントやクエストで崩壊したり、ダンジョン化する可能性もあります』とか」
「わぁお」
まぁそりゃ先に同意確認するよね。
「それでも返上したのかぁ〜……課金して新しい開拓地買って次に行ったのかなぁ」
「仕上がって満足したなら、そうかもな」
そうなると、完全に運営管理の拠点になるんだって。
基本は元の開拓主の作った物をそのまま活かすらしいけど、必要なら建物や住民はどんどん追加されるから、原型を留めない場合もある。
ピリオノートみたいにゲーム開始時の始まりの街として選べはしないけど、出入は自由でオーブ登録も出来るし、NPCの店が増える他、クエストとかも多くなるみたい。
あと注意しないといけないのが、襲撃イベント。
本来は開拓主のログインに合わせて起きるものだけど、その開拓主がいなくなるから、プレイヤーが訪問時に訪問プレイヤーの実力に合わせた襲撃が起きる場合があるんだって。
絶対起きるわけじゃないけど、遭遇したら要注意。
流石に1人のプレイヤーが襲撃を無視して逃げ帰っただけで崩壊したりはしないだろうけど、どんなペナルティがあるかは分からないみたいだからね。
「この大神殿は……ああ、神官系の職業だと修行先とか巡礼クエストで行き先になったりしてるな。おつかいクエストもそこそこ多い」
「へぇー」
そりゃあピリオノートからそこそこ近い大神殿なら、運営だって大神殿として使うよね。
神官系のプレイヤーは、このクエストをスキップ出来るヒトもいたのかも。
有志wikiによると、『クロカンブッシュ大神殿』は建物の外観はほぼ元のまま。かなり見応えがあるから観光地としても人気らしい。
「僕は画像は見ないでおく。実物見てビックリしたい」
「OK」
これは俄然楽しみになってきましたよ!
「えーっと……サフランの滝裏から北だよね?」
「……うん、別の街から馬車があるけど、そっちは俺達は行ったことないな。ただ……『サフラン滝裏集落』側からは道が無い」
「ありゃ」
まぁサフランは飛行種族しかいない街だったもんねぇ。
馬車の乗り入れも難しい地形だったし、道が発達しない開拓地なのかも。
「じゃあ森の中をネビュラで突っ切る感じかな」
「だな……ベロニカが必須だ」
「うん、遭難しそう」
距離自体はゲーム内で1日あれば付きそうなんだけど……深い森の中を突き進むみたいだから、もう少し時間がかかりそう。
「それなら久しぶりにアウトドアデートじゃないですかねぇ!?」
「まぁそうだね」
やったぜ、テント持っていかなきゃ。
ただ、留守番組にはきちんと伝えておかないと。うーん、やっぱり春イベントの報酬アイテムは欲しいねぇ
野営では食材でスープ作ろう。キャンプでスープ煮込んで食べるのは雰囲気もスパイスになって最高に美味しいのだ。。
「遠出クエスト最高では?」
「……まぁ、俺達はね」
「え、他は人気無いの?」
「割と好き嫌いは分かれる。『移動ダルい』って」
「ありゃ」
「だから、足の速い従魔に速度増加バフをかけるのが定番」
「へぇ~」
うーん、そういうヒト達は、早く空飛ぶ従魔が一般的になるように頑張ってもらいたいね!




