五十七皿目、 ――そして再会 4
「何でここが分かった?!」
口をついて出たのはそんな疑問だった。
「私達には、いろいろ調べる方法がありますから」
律儀に答えながら、鹿島が玄関へと入って来る。
戸を閉めるべきだったと思うが、時既に遅し。
鹿島の後ろから現れた白衣姿の男達が、何か妙な機械を抱えていた。
それが、いろいろ調べられるという代物だろうか。
「出て行け!不法侵入で訴えるぞ!」
「どうぞ!そしたらこちらも窃盗で告訴します」
くそ、どう考えても分が悪い。
竜が世間に認知されてない以上、竜の卵泥棒で刑事事件にはできないだろうが、少なくとも鞄泥棒では立件され得る。
俺の少ない脳みそが、この場を乗り切る方法を探してフル回転している間にも、鹿島は靴を脱いで上がりこもうとしていた。
土足じゃないだけ親切な気がした。
「ピ?」「ピィ?」
クロウとシロウの声が聞こえる。
ととと、と畳の上を歩く足音がこちらへやって来る。
まずい!
鹿島が気付く。
「竜はそこですね」
「お前ら逃げ…っ!」
逃げろと言おうとした。
襖の陰から顔を覗かせた二匹が、鹿島の姿を見て凍りつく。
身を竦ませ、驚愕の表情で立ち尽くす。
同時に、鹿島も驚いた。
「ふ、双子っ?!」
そういえば知っている訳もなかったな。
二匹もいることは想定外だったか、一瞬怯んだ鹿島をこの隙に後ろから羽交い絞めにする。
「早く逃げろ!」
「ぴぃっ!」「ピィーッ!」




