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明日は色々ありそうだ……

「明日はデッドネットルの浄化だけど……ルゥは疲れてない? スーハー……」


 お兄様……

 ずっとわたしを吸っているね……


「うん。大丈夫だよ?」


 言えない……

 ベリアルに『ルゥ大ちゅき』って言われた事が嬉しくて、いつの間にか浄化が終わっていたなんて……

 絶対に言えない……


「急いで帰ったみたいだから。何か用でもあったの?」


「え? 違うの。吉田のおじいちゃんが裸踊りをする前に帰ったの。天使と勘違いされていたみたいだし……捕まったら、魔族との全面戦争になっちゃうかもしれないし……」 


「全面戦争? ヨシダのおじいさんは偉い人なの?」 


「魔王をしているお父さんは、産まれてすぐに父親が亡くなっていてね……小さい頃から吉田のおじいちゃんが父親みたいに接してくれていたらしいの」


「そうだったんだね」


「吉田のおじいちゃんは裸になる以外は立派なんだよ? お父さんは困っている魔族の為に魔王をしているし。皆すごく素敵なの」


「そうなんだね……ルゥは幸せなんだね」


「お兄様の『陸のお父さん』もすごく素敵だったね。お菓子もすごくおいしかったよ?」


「ありがとう。父ちゃんが聞いたら喜ぶよ」


「ヘリオス、明日のデッドネットルの浄化には船長がこっそり見に行くって言ってたぞ? ココも行くからな!」

「バカ! こっそりなんだから内緒にしないとだろ?」

「ヘリオスがちゃんと王をしてるか見に行くらしいぞ?」


 海賊の皆はお兄様と仲がいいんだね。

 見ているだけで嬉しくなっちゃうよ。


「え? 明日、父ちゃんと姉ちゃんが来るの?」


 お兄様は嬉しそうだね。

 こっそり見に来るなら、話はできないか……

 確か、リコリスの偉い人間達は海賊の家族をよく思っていないんだよね。

 お兄様は悲しいだろうな……


「そうなんだよ! ココの奴が……」

「こら! 口が軽過ぎるぞ!」

「明日のお楽しみだ! 明日は聖女様も驚く事があるぞ?」


 わたしが驚く事?

 何かな?


「明日はヨシダのおじいさんはもう来ないのかな?」


 お兄様がスーハーしながら尋ねてくる。


「……それが、ベリアルがしっかり餌付けされていて、明日も付いて来そうなの」


「そうか……デッドネットルの王は……まぁ大丈夫だろうけど、最終日のマグノリア王には気をつけるんだよ?」


「マグノリア王は怖いの?」


「……厳格な人だからね、裸踊りなんてしたら打ち首だよ……」


「ええっ!? そんな!」


 絶対に連れて行けないよ。

 第三地区の皆は創り物の身体なんだ……

 首をはねられても身体が歩いて、転がった首を拾いに行くかも……

 それから首を持ちながら裸踊りを始める……

 なんて事になりかねないよ?


 最終日だけは、なにがなんでも留守番をしてもらおう。

 付いて来られたら大変な事になるよ……

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