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わたしもあなたも皆変態。さぁ一緒にモフモフを吸おうよ~後編~

「ぴよたん……今日遊びに来てくれるって聞いていたから……はい、キャラメルだよ?」


 宰相がヒヨコちゃんのベリアルのクチバシの前にキャラメルを差し出した。


「ぴよたんってなんだ? キャラメルだぁっ! パクッ! うまああああい!」


 ベリアルが簡単に餌付けされている。

 堕天使だった時とは大違いだ……

 あの時の話をベリアルにすると恥ずかしがって逃げちゃうんだよね……

 黒歴史……ってやつかな?

 

「ふふふ……ぴよたん、わたしの腕に来るともっといい物があるよ?」


 宰相……

 すごく嬉しそうだ……


「本当か!? 何? 何!?」


 ベリアル……

 簡単過ぎるよ……

 宰相の腕の中に飛び込んでいったね。

 ぴよたんって呼ばれている事は気にならないのかな?


「ほぉら……巨大キャンディだよ?」


「うわあぁ! 大きいな! うまああああい!」


 かわいいヒヨコちゃんが棒付きの特大キャンディを食べている!?

 これは……

 モフモフ好きのわたしには耐えられない。

 あまりのかわいさに立っていられない……


「ルゥ? どうしたの?」


 お兄様が、身体の力が抜けていくわたしを支えてくれる。


「ベリアルがかわい過ぎて……」


「分かるよ! お兄様もルゥがかわい過ぎてフラフラするから。スーハー……」


 いや……

 わたしを吸い過ぎて呼吸数が多くなってクラクラしているんじゃ……?

 ずっと抱きしめられていて、離してもらえないよ。


「ぴよたん……このキャンディはわたしの専属シェフに作らせた身体に悪くない着色料を使ったフルーツキャンディなんだ。ぴよたんのカスタードクリームのような黄色い羽毛を引き立たせる配色を考えて、甘さも途中で飽きないように……」


 すごい……

 宰相がキャンディの説明をしているけど、ベリアルは全く聞いていない。

 そして、宰相はずっとベリアルを吸い続けている!?

 

「難しくてよく分かんないけど……旨いキャンディだなっ! お前いい奴だな。好きだぞ!」


 ……!?

 ベリアル!?

 今何て言ったの!?

 好きだぞ!?

 好きだぞって言ったよね!?

 キャンディをあげたら好きって言われるの!?

 でも、一流シェフのキャンディに勝てる物は作れないよ……

 マシュマロは吉田のおじいちゃんがあげていたし……

 ベリアルは生クリームが好きだよね。

 うーん……

 クレープ……?

 クレープに生クリームを山盛りにしてベリアルの大好物のチョコをトッピングしたら……

 絶対喜んでくれるはず!

 ルゥ大ちゅきって言ってくれるかも!


「あは……あははは」


 想像しただけで笑いが止まらないよ。


「ルゥ……何か妄想してるんだねっ! かわいいっ! スーハー……」


 お兄様も変態だから、わたしの妄想笑いを見ても気持ち悪いと思わないんだね。

 素を見せられるって嬉しいなっ!


「いい事を思いついたの! ベリアルに大ちゅきって言ってもらえそうだよ!」


「そうなんだねっ! ルゥならきっと上手くいくよっ!」


「うん! ありがとう。お兄様!」


「「あははははは!」」


「この兄妹……怖っ! ……なんだか……嫌な予感がする……」


 にやけながら笑うわたしとお兄様を見て、ベリアルが怯えている。

 

 この前の作戦は失敗したけど、今度の『クレープを作ってベリアルにルゥ大ちゅきって言わせちゃうぞ』作戦は絶対に成功させるからねっ!

 ベリアルの今とは違う堕天使だった頃のお話は

 2022/09/17 71話

 第一部天族編『ルゥと天使と勇者~後編~』

 に書かれています。


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