モフモフパラダイス!
「ふふふ……いいって言ったのはケルベロスだからね?」
とりあえず一番疲れていそうな右の子からだ……
やっぱり背が高いね。
頭まで手が届きそうにない。
まずは座らせる……?
いや……
久々のモフモフパラダイスだよ!?
やっぱり、お腹を出してゴローンしてもらって……
それから、吸って撫でて撫で回すんだ!
ふふふ……
あはは……
今日は何をしてもハデスが怒らない。
やりたい放題だよっ!?
「あは……あはは……」
笑いが止まらないね!
「ルゥ……お前……顔がヤバイぞ?」
ベリアルになんて言われても気にしないよ?
変態だって構わない!
だって今から始まるのはモフモフパラダイスなんだからっ!
とりあえず……
お腹に吸いつこう。
それからゆっくりと堪能させてもらうからね。
さぁ、冥界のケルベロスの毛は硬いのかな?
柔らかいのかな?
いただきますっ!
ケルベロスのお腹に顔をうずめる。
……!?
なんて事!?
この柔らかさ……
甘い匂い……
ブラッシングしたてのフワフワの毛並み……
最上級の毛並み。
あぁ……
全てにおいてわたし好み!
頬擦りが止まらない!
……あれ?
ケルベロス……
いつの間にかお腹を出してゴローンしている。
かわいい!
三つの頭が皆うっとりしている。
「あは……あはは……堪らないね。こりゃ……」
「うわぁ……あれが聖女の顔かよ……」
ベリアル……
呆れ果てているね……
でも、これは最上級なんだよ!
止めるなんて無理なんだよ!
「あぁ……この感じ……間違いなくペルセポネ様!」
ん?
ケルベロス?
どういう事?
「寂しかったです! ペルセポネ様!」
「一緒に冥界へ帰ろう! ペルセポネ様」
「ペルセポネ様無しでは生きていけません!」
え?
ケルベロス?
ハデスを待っていたんだよね……?
わたしは邪魔なんじゃないの?
「あの……わたし、ペルセポネの時の記憶がはっきりしていなくて……教えて欲しいんだけど……」
「「「はいっ! 喜んでっ」」」
いい返事だね……
すごく素直だ。
「えっと……ケルベロスはハデスの代わりに冥界の仕事をしていたんだよね?」
「はいっ! そうですっ! ペルセポネ様っ!」
あぁ……
撫でる手が止まらない……
フワッフワだよ!
「ハデスがいなくなって疲れているんだよね?」
「え? いえ……冥王様は元々仕事らしい事は何もしていなかったというか……」
「元々わたしが全てやっていたというか……」
「冥王様は玉座にいただけといいますか……」
え?
そうなの?
ハデスの代わりに仕事をして疲れているんじゃなかったの?
「じゃあ……すごく疲れているっていうのは?」
「え? それは、ペルセポネ様に撫でられる事により癒されていた幸せな時間がなくなってしまった為に疲れが溜まっていたのです」
「……そうなの? わたしを消そうとしていたんじゃないんだね?」
「そんな事は絶対にありませんっ!」
そうだったんだね……
「ペルセポネ様! さっそく一緒に帰りましょう!」
「あぁ……あのね? 今は人間だから冥界には行けないの」
「「「ええっ!? そんな!」」」
本当に残念そうだ……
かわいそうだな……
「じゃあ……いつでも幸せの島に遊びに来て? わたしもケルベロスに会えたら嬉しいし……」
毎日モフモフパラダイスだよっ!
ハデスもケルベロス相手なら怒らないみたいだし。
「はいっ! 毎日来ます! 湯浴みをしてフワフワになった後に!」
じゃあ、もしかしてさっきお父様が言っていた冥界に帰ったっていうのは……
お風呂に入って綺麗にしてから、わたしに会いに来たっていう事?
なんてかわいいの!
もう撫で回す手が止まらないよっ!




