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新しい生活が始まる~前編~

 一か月後___


「るぅ、だっこして?」


 ハーピーちゃんっ!

 かわい過ぎるよっ!


 幸せの島のガゼボの中で、弟のハーピーちゃんが抱きついてくる。


 あぁ……

 幸せ……


 この一か月で、グリフォン王は世界一周の旅に出かけた。

 一番上の息子さんが新しいグリフォン王になったらしいけど、まだ会った事はない。

 ウェアウルフ王の座を退いたお兄ちゃんは、雪あんねぇと楽しく過ごしている。

 ドラゴン王のばあばと元神様のおじいちゃんは群馬がすっかり気に入ったらしく、空き家になったわたしが暮らしていた家に住み始めた。

 毎日群馬県中の温泉巡りをしているらしくて、時々お土産の温泉まんじゅうを持って来てくれる。

 ピーちゃんもその時に一緒に帰って来て、元気な姿を見せてくれる。

 ベリアルは、かわい過ぎるヒヨコちゃんとしていつも元気な第三地区の皆と楽しく暮らしている。

 お父さんは魔王としての激務をこなしながら、第三地区でおばあちゃんの手料理に癒されている。

 リヴァイアサン王国とヴォジャノーイ王国は、まだ領海で揉めてはいるけど今までと違って許可を取らなくてもお互いの領海を行き来できるようになった。

 魚族長は、リヴァイアサン王国の領海で行方不明になっているお母さんを捜しに行けるようになったと喜んでいる。 

 パパとママは、ハーピーちゃんの成長を見守りながら仲良く暮らしている。

 神様のお父様と、豊穣の女神のお母様も毎日会いに来てくれる。

 お父様の浮気癖も最近は落ち着いているらしい。

 ヘスティアとヘラも時々一緒に来て、海で楽しそうに遊んでいる。

 ハデスは、全てのヴォジャノーイ族の事から手を引いて幸せの島でのんびり暮らしている。

 わたしは、毛玉になってくれるハデスを吸ったり撫でたりしながら体力作りに励んでいる。

 一か月前にピーちゃんが帰って来た時に内臓の損傷を治してもらってから体調が良くなって、毎日快適に暮らせるようになった。


 こんな感じで、幸せの島はのんびり時間が過ぎていっている。

 

「るぅ? ばあちゃんの、しまにいく?」


 抱っこされているハーピーちゃんが尋ねてくる。


 あぁ……

 かわい過ぎる……


「ハーピーちゃんは、おばあちゃん達が好きなんだね」


「うん。つけものすきっ!」


 ハーピーちゃんは、こたつに入って緑茶を飲みながら漬け物を食べるのがお気に入りなんだよね。

 かわいい……


 ハーピーちゃんを抱っこしながら第三地区に繋がる海水でできた橋を渡る。

 ハーピーちゃんが、ご機嫌で歌っている。

 この歌は、ママがハーピーちゃんに歌う子守唄なんだよね。

 さすが歌が上手いハーピー族だね。

 まだ生後二か月だけどすごく上手だ。

 

 第三地区の広場に着くと、皆がハーピーちゃんを抱っこしたくて集まって来る。


「月海、少しいいかな?」


 しばらくすると、お父さんが広場に入って来る。


「うん。どうかしたの?」


 こんな時間に、お父さんが来るなんて珍しいね……


「人間の国に溜まっている魔素を浄化して欲しいと頼まれているんだ。月海の体調も良くなってきたし、ハデスと新婚旅行がてら人間の国を一周してきてもらえないかな?」


 人間の国を一周!?

 楽しそう!

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