再会と真実(3)
おじいちゃんとばあばの声が重なった。
さすが相思相愛だね。
いや、驚き過ぎただけかな……?
「いや……まさか、神の座をわたしに押しつけて異世界で楽しく暮らしていた……? え? どういう事?」
おじいちゃん……
神の座を押しつけられたんだ。
皆が、神様になりたいんだと思っていたけど違うんだね。
「ジイチャンナノ? ホントニ?」
「陽太……黙っていて悪かった。辛かったなぁ……ずっと一人で……辛かったなぁ」
野田のおじいちゃんがピーちゃんを抱きしめる。
「ジイチャン……シンダッテ、シッテ、ツラカッタヨ」
「話さなくて悪かった……陽太……」
「陽太だって?」
「かわいいなぁ。鳥なんか?」
「上手に話せて偉いなぁ。分かるか? 月海のばあちゃんだ」
そうか……
おばあちゃんは前の世界でのピーちゃんを知っているんだよね。
わたしが小さい頃は、よくおばあちゃんの作ったおはぎを一緒に食べていたっけ。
「エ? カンダノ、バアチャン?」
「赤ちゃんだったのに立派になって……」
「ア……イヤ、イマハ、トリナンダケド……ソレニボク、サイゴニアッタノ、コウコウセイノトキ……」
「いやぁ、立派だ立派だ。あははは」
「ちょっと撫でさせろ。あれ? ルーみてぇな事言ってるなぁ。あははは」
「かりんとう食うか? あははは」
「エ? ア……カリントウ? エ?」
ピーちゃんが、あっという間に第三地区の皆に囲まれた……
今日も皆、元気だね……
「ルゥ? どうなっているの? 向こうの世界で亡くなった人間がここに住んでいるって? 今の神がやったって……天界で問題にならないの?」
ばあばの言う通りだよね。
お父様は思いついた事を後先考えずに実行しちゃうから。
「うん……お父様が勝手に色んな事をしちゃって、天界でも問題になったみたいなんだけど皆に助けられて解決したみたい」
ヘラが天界の建物を素手で壊したのも、たぶんその時だよね……
「え? でも、そんな事が……亡くなった人間を連れて来るなんてできるの?」
「魂だけ連れて来て、身体を創ってその魂を入れたって言っていたよ?」
「……ルゥ。実は、向こうで色々分かったんだ。集落で生まれた人間なんだけどね……ルゥより後に生まれた子供は普通の人間に近いんだけど、前に生まれた人間は天族の血を強めに感じたんだ」
おじいちゃんが真剣な顔で話し始めた。
「……? おじいちゃん? それは、おじいちゃんが植えた木の実を食べているからだよね? あれ? でも皆、木の実を食べていたし……?」
「あの木の実を食べたからといって天族になれるわけじゃないんだ。何かおかしいと思って少し調べてみたんだ」
「……うん。何か分かったの?」
聞くのが怖い。
もしかして、わたしが自殺した理由なのかも……
「これは想像なんだけど……今のルゥの話も合わせて考えると、神はあの集落でルゥの……ペルセポネの魂が入れる身体を作ろうとしていたんじゃないかな?」
え?
ペルセポネの魂が入れる身体を……?
「ペルセポネは自害したんだ。あれは、わたしが神になる少し前だった。あの神の事だ……ペルセポネの魂がかわいそうで、そばにいてあげたかったんだろう。それで慌ててわたしを神にしたのかも……」




