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誰だって休みたい時がある











木実たちと約束していたファミレスに行こうと、二階へ上がると父さんが景姉さんの部屋から出てきたところだった。


「どうしたの?」


「ああ、何でもないよ。また服が脱いだままだったからね」


部屋まで持ってきたのか。姉さんも恥ずかしくないのか、女性として…。


「樹威は何か用事?」


「うん、木実と美直にちょっと」


「そう。そっちの部屋にいるよ」


「ありがと」


下に行く父さんに軽く手を振り、美直の部屋のドアをノックする。

するとしばらくの間があってからドアが開き、美直が顔を覗かせた。


「…何?」


「ファミレス行くか?お前も行きたいって言ってただろ?」


すると部屋の中から行きたい!と木実のはしゃいだ声がした。見ると床一面に紙が散らばっていて、どうやらお絵描きをしていたらしい。手がクレヨンで汚れてしまっている。

美直も一瞬だったが行くと言って笑った。最近の美直は素直だ。いつもそれなら可愛いのに。


着替えるから待っててと美直はドアを閉めた。俺は待っている間に隣の部屋にもノックをした。すぐにドアは開いた。


「なぁに?」


景姉さんはサイズの大きいパーカーを被っていた。足は丸出しだけど。


「木実たちにパフェ奢ってあげようとファミレス行くんですけど、姉さんも来ません?」


「パフェ?」


「この前のシチューのお詫び」


あー、と姉さんは呟いた。


「私は遠慮しとく。ちょっと具合悪いし」


「えっ、大丈夫ですか?」


思わず聞くと姉さんは笑った。


「大袈裟よぉ、多分軽い夏バテ。行っておいで。食べさせ過ぎないでね、夕飯もあるし」


笑うところを見ると大丈夫そうだ。

そしてちょうど美直と木実が部屋から出てきて、姉さんに行ってきますと告げるとドアを閉めた。


「景、どうかしたの?」


「ちょっと具合悪いんだと」


「それで服着てたんだ」


「その言い方はなんかなぁ…」


思わず苦笑いを浮かべてしまう。もしかして父さん、それで様子を見に行ってたのかな。


「けーちゃんにも!たべさせてあげたいっ」


「そうだな。帰りに何か買ってきてあげような」


夕飯が楽になるようなもの、買ってこよう。


「その前に木実、手洗いしような」

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