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じゃがいもと人参のセットは美味しい

毎日一緒にいると、相手の髪の毛が伸びたり身長が伸びたりしたことになかなか気付かない。だけどある日突然、どこか違和感を覚える時がある。



俺の今の母さん、奏衣(かなえ)さんは赤味のある茶髪を無造作にオールバックしている、まぁ見た目も口調も男勝りな人だ。


「うーん、良い匂いがするんだぞ!」


…この“だぞ”っていうは口癖で、特に機嫌が良い時に連発する。今は家族全員揃っているのが嬉しいのだろう。何の仕事をしているのかは知らないが、あまり帰って来ないからな…。


「美味しそうですね」


さっきから敬語で俺と若干カブっているこの人が俺の父さん。けど俺は景姉さんと母さんにだけ敬語を使っている。

眼鏡を掛けてていかにも優男的な雰囲気の父さん。けど美直は俺のこと以上に父さんが苦手らしい。まぁ女の子にしてみれば新しい親っていうのは馴染みにくいものなのかもしれない。


「じゃあ頂きましょうか」


食卓にはやはり魚肉ソーセージが入った肉じゃがと、野菜たっぷりの炒め物が並んだ。うん、美味そう。


母さんと父さんも椅子に座り、久しぶりに家族全員での夕飯となった。

魚肉じゃがは思ったより好評で、母さんはおかわりまでしていた。だけど木実には味が濃かったのか、だいぶ残していた。やっぱり悪いことしたなぁ。


風呂も順番に済ませて、眠ろうと美直に二階へと連れていかれる木実に小声で耳打ちした。


「木実、今度お兄ちゃんとファミレス行こうか。パフェ食べさせてあげる」


「うんっ!」


「木実だけズルい。あたしも!」


聞こえていたのか、美直が横から入ってきた。


「何ガキみたいなこと言ってんだよ。まぁ良いか、今度三人で行こうな」


頭をポンポンと叩いてやると、美直は少しだけ嬉しそうに笑った。なんだ、ちゃんと素直な顔もするんだな。


「じゃ、おやすみ」


「「おやすみなさい」」


なんだかんだでやっぱり妹は可愛いもんだ。



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