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TOD  作者: ナナシノススム
ハーフタイム
231/284

ハーフタイム 96

 潜伏先としている廃工場に戻ると、冴木は車を止めた。そうして、春来達は車を降りた。

 ただ、その瞬間、春来は何か異様な気配を感じた。

「何か、おかしくないですか?」

 そのため、春来は思わずそんな言葉を発した。

「どういうことだ?」

 ただ、冴木は特に異変を感じていない様子で、そんな風に聞き返してきた。

「すいません。気のせいかもしれないです」

 そのため、春来は自分にも言い聞かせるようにそう言った。

 ただ、中に入った瞬間、そこにあるものを見て、全員が立ち尽くす形になった。

 そして、両親の死を目の当たりにした春来は、そこにあるものが何なのか、すぐにわかった。それは、ここで待っていたはずのディフェンス3人の死体だった。

「これは……?」

「すぐ車に戻れ! ここも危ない!」

 冴木がそう言った瞬間、春来は先ほどから感じている異様な気配を追うように、そちらに目をやった。そこにいたのは、黒いフルフェイスヘルメットを被り、真っ黒な服を着た、大柄な人物だった。同時に、これが春来の両親を殺して、さらには家に火をつけた人物だろうと、直感的に理解した。

 そして、「そいつ」は、こちらに銃を向けていた。

「伏せろ!」

 そんな冴木の言葉を受けて、自然と身体が動いた。そうして、身体を低くした直後、何度も銃声が響いた。ただ、その銃弾は、春来だけでなく、誰にも当たらなかった。

「俺が押さえる! 志賀、春来と春翔を連れて、ここを離れろ!」

 そう言うと、冴木はタックルをする形で、「そいつ」を倒すと、地面に押さえ付けた。しかし、少しすると、「そいつ」が勢いよく起き上がり、冴木は吹っ飛ばされてしまった。完全に押さえていたように見えたのに、こんなことが可能なのか。そんな疑問を持ちつつ、春来は立ち尽くしてしまった。

 そうした状況の中、こちらに銃を向けられて、また何発か銃声が鳴った。ただ、照準が合わなかったようで、銃弾が当たることはなかった。

 そして、装填している銃弾がなくなったのか、「そいつ」は繰り返し銃のトリガーを引いたものの、もう銃弾が発射されることはなかった。

「春来、逃げないと!」

 春翔の叫び声を聞いて、春来は我に返った。ただ、恐怖心からか、上手く身体が動かなかった。

 次の瞬間、これまで春来達が乗ってきた車が中に入ってくると、そのまま「そいつ」を跳ね飛ばした。その後、車から志賀が出てきて、こちらに駆け寄ってきた。

「みんな、大丈夫ですか!?」

 こうした状況の中、志賀は車に乗ると、それを使って強引に助けに来てくれたようだ。そうしたことを理解しつつ、春来は軽く息をついた。

「僕は大丈夫です」

「私も大丈夫です」

「それなら、良かったです。冴木さんは……」

「志賀、後ろだ!」

 冴木が叫んだ瞬間、志賀のすぐ背後に「そいつ」がいた。ついさっき、車で跳ね飛ばされたばかりなのに、「そいつ」は何事もない様子で、勢い良く腕を振った。その攻撃を受けて、志賀は大きく吹っ飛ばされた。

「志賀さん!?」

「伏せろ!」

 そう言うと、冴木は銃を取り出した。

 何故、冴木が銃を持っているのかといった疑問を持ちつつ、銃弾は「そいつ」の左腿に当たり、ズボンが弾けるのが目視で確認できた。しかし、「そいつ」は足を止めることなく、春来に向かってきた。また、「そいつ」の手には、ナイフが握られていた。

 その間、冴木は銃を撃ちつつ、春来を庇うように前に出た。その際、今度は胸元に銃弾が当たったように見えたものの、やはり、「そいつ」が足を止めることはなかった。

「春来、春翔、車に乗れ!」

 そう言われたものの、春来は身体が動かなかった。ただ、そこで腕を引かれて、春来は振り返った。

「春来、来て!」

 そうして、春来は春翔に腕を引っ張られる形で、ようやく身体が動いた。そうして、言われた通り、春来は春翔と一緒に車へ向かった。

 ただ、その途中、倒れている志賀がいたため、春来は足を止めた。

「志賀さん、大丈夫ですか!?」

 そう呼びかけたものの、志賀からの返事はなかった。というのも、ナイフで切られたのか、志賀は首から血を流しているだけでなく、骨も折れてしまったようで、おかしな方向に曲がっていた。何より、見開いたままの目が、志賀の死を表していた。

「そんな……」

「二人とも、早く車に乗れ!」

 大きなショックを受けつつも、冴木の言葉に押される形で、春来と春翔は車に乗った。

 その間、冴木は相手のナイフを弾き飛ばした後、その場に倒してから、急いでこちらにやってくると、車に乗った。

 先ほど、志賀が乗ってきたため、エンジンはかかったままだ。そのため、すぐに冴木は車をUターンさせた。その間にも、「そいつ」が迫ってきて、乱暴に車を殴ってきた。それにより、窓ガラスが割れただけでなく、ドアが少しへこんだものの、冴木は構うことなく車を走らせた。

「二人とも、怪我はないか?」

「はい、大丈夫ですけど……志賀さんが……」

「わかっている。あれは、致命傷だ」

 相変わらず、あまりにも様々なことが起きて、春来は理解が追い付かなかった。ただ、これで残ったディフェンスは冴木だけになったことを理解して、身体が震えるほどの恐怖心に支配されつつあった。

「二人とも、シートベルトをつけろ。どうにかあいつを振り切る」

 そう言うと同時に、冴木は車の速度を上げた。春来は、何があったのかと思いつつ、何気なく後ろを確認した。そして、「そいつ」が、バイクに乗って追いかけてきていることに気付いた。

「冴木さん……」

「大丈夫だ。裏道を使えば、バイク相手でも逃げ切れる」

 その後、冴木は乱暴ともいえる運転で、どうにか振り切ろうとした。ただ、バイクの方が他の車を追い抜きやすいこともあり、逃げ切るのは厳しいように感じた。

 すると、冴木は反対車線に飛び出し、そのまま対向車をかわしつつ、走り続けた。そうしていると、当然ながら対向車は混乱した様子で、こちらをよけると同時に事故を起こす車もあった。ただ、そのおかげで、「そいつ」は対向車に追突されて、そのまま倒れた。

 それから少し走らせたところで、特に追ってくる者が誰もいないことを確認すると、冴木は一息ついた。

「振り切れたようだ。とりあえず、状況を整理する。まず、潜伏先が襲撃された理由を考えよう。いったい、どうやってこちらの位置を特定したのか……不安材料を順に減らそう。二人とも、スマホを持っているか?」

「はい、持っていますけど?」

 ふとスマホを見ると、朋枝からメッセージが来ていることに気付いた。それは、こちらを心配した様子の内容だった。

「抵抗があるかもしれないが、今すぐそれを捨てろ」

「え?」

「スマホの位置情報から、潜伏先を特定された可能性がある。まあ、春来が離れた時に襲撃されていることを考えると、他の奴のスマホから特定された可能性が高いかもしれないが、念のため、スマホは持たないようにしよう」

「えっと、わかりました」

 朋枝からのメッセージに返事をすることなく、スマホを捨てるというのは抵抗があったが、春来と春翔は素直に従う形で、窓からスマホを投げ捨てた。

「あと、さっきの奴についてだが、銃やナイフの扱い方は、素人そのものだった。だから、少し押さえるぐらいならできたが、その分、危険だと感じた」

「どういうことですか?」

「恐らく、人を殺すことについて、何の抵抗もないのだろう。軍人や兵隊など、多くの人を殺すことで、慣れるというのは聞いたことがある。ただ、そうした人でも、最初の頃は強い抵抗を持つのが普通だ。だが、あいつは素人にもかかわらず、人を殺すことに一切の抵抗がないようだった」

 そう言われて、春来は志賀が殺された時のことを思い出した。そして、冴木の言う通り、一切の抵抗がないようだったと感じた。

「何だか、現実感がなかったです。志賀さんが吹っ飛ばされて、ナイフで切られただけでなく、首の骨が折れているように見えました。それに、銃弾も効いていませんでしたよね? だから、まるでSF映画に出てくる、サイボーグみたいに感じました」

「それは、的を射た表現かもしれないな。とりあえず、銃弾が効かなかったのは、いわゆる防弾チョッキのような機能を持った物を着用しているのだろう。あと、これは何の根拠もない推測だが、あいつは、パワードスーツを着ているのかもしれない」

「パワードスーツって何ですか?」

「何か作業をする際に補助してくれるスーツのことだ。一般に流通しているのは、パワーアシストスーツや、単にアシストスーツとも呼ばれるもので、農作業などの補助をしてくれるものだ。中腰で長時間作業をすると、腰を痛めやすいだろ? だが、こうしたスーツを着て作業をすると、腰を痛めづらいだけでなく、作業効率も上がるそうだ」

 そんな説明を受けたものの、春来は、どこか関係のない話のように感じてしまった。

「それとは、全然違うものに感じたんですけど?」

「ああ、その通りだ。今のは、一般に流通しているものの話で、あいつが着ていたのは、恐らく戦闘用のパワードスーツだろう。ただ、これまで戦闘用のパワードスーツを製作しようと、様々な軍などが取り組んできたが、実用化されたものはないと言われているんだ」

「それは、どうしてですか?」

「戦闘用ということは、補助でなく、大きな力や、効率の良い動きといった、本来その人ができないことをさせようといった目的で作られるそうだ。だが、そうすると、身体への負担が大きくなる。身体を無理に動かせば、壊すことになるというのは、理解できるだろ?」

「はい、サッカーをしていて、そう感じることもあります」

「だから、戦闘用のパワードスーツは、実用化されなかったそうだ。だが、あいつの動きは、人ができることじゃなかった。俺は完全に関節を決めたうえで、押さえ付けた。普通なら、これで動ける奴なんていない」

 冴木は、春来の家の近くで会った男性を押さえ付けて、一切動けないようにしていた。その様子を見ていたからこそ、押さえ付けられているはずの人が、冴木を吹っ飛ばす光景が異常だったと、春来は感じた。

「あんな風に強引な力任せで押さえを解かれるなんて、今まで一度もない。だから、何か特殊なパワードスーツを着ているか、あるいは薬などによって身体を強化しているようだと感じた。とにかく、あいつの対策としては、なるべく相手にしない方がいいとしか言えない。さっきも言った通り、現状は銃もナイフも真面に使えない、素人のようだったが、今後はわからない。だから、今後遭遇したら、とにかく逃げろ」

「……わかりました」

 冴木は、逃げることだけが対策といった言い方だった。それを受けて、あまりにも深刻な状況に自分が置かれていると春来は実感させられた。

 そんな春来の様子に気付いたのか、冴木は話を続けた。

「あと、少し落ち着いたところで、運転の仕方を教える。今のうちに、よく見て覚えるようにしろ」

「そんなこと、できないですよ」

「できるかどうかなど聞いていない。また襲撃があった時、俺の運転に頼ることなく逃げられるよう、覚えろと言っているんだ」

「……わかりました」

 この異常な状況を切り抜けるためには、異常なことをしないといけない。そう考えると、免許を持たない自分が車を運転するぐらい、すぐに受け入れるべきだと春来は感じた。

「あと、付け焼刃で、ほとんど役に立たないだろうが、多少の護身術も覚えろ。さっきは守ると言っておいて、こんなことを言うのはおかしいかもしれない。だが、言わせてもらう。自分の身は自分で守れるようになれ」

「はい、僕も、そうなりたいです」

 これまでのことを振り返った時、自分の身を自分で守れるだけの力を、冴木は持っているのだろうと感じた。そのため、自分もそうなりたいと強く思った。そして、春来はそこで考えを止めることなく、先に進んだ。

「それで、春翔も守れるようになりたいです」

 そう言うと、これまで黙って話を聞いていた春翔が、春来の手を握った。そして、そんな春翔を少しでも安心させようと、春来は笑顔を見せた。

「……いや、春翔は途中で降りてもらって、別の場所に潜伏してもらうつもりだ」

「何でですか!?」

「はっきり言う。俺は自分の身を自分で守れるだけの力を持っている。そんな自信がある。だが、そんな俺でも、誰かを守るのは難しいと感じている」

 冴木からそのように言われて、春来は色々と思うところがあった。ただ、それを言葉にすることはできなかった。

「私は春来と一緒にいたいです! 春来の近くにいたいです!」

 そんな春来の代わりに、春翔が春来の伝えたいことを伝えてくれた。そして、春来は背中を押される形で、自分の意思を伝えることにした。

「はい、僕も春翔と一緒にいたいです。春翔の近くにいたいです」

 そこまで伝えると、冴木は軽くため息をついた。

「しょうがないな。だったら、春来と春翔、二人に生きる術を教える」

 そんな冴木の言葉に、春来と春翔は頷いた。

「はい、お願いします」

「それじゃあ、まずは車を乗り換えるか。さすがにこれだと事故車と思われて目立つからな。あと、今度の潜伏先は、襲撃された時、すぐ逃げられる場所を選ぼう」

 その後、冴木の言った通り、車を途中で乗り換えた後、また別の廃工場で潜伏することになった。ただ、常に車を近くに置いて、すぐ逃げられるような対策をした。それだけでなく、何かしらかの理由で車が使えなくなる可能性を考えて、数台の車や、バイクも用意された。また、この廃工場は出入り口も複数あるため、追い込まれる可能性が低いとのことだった。

 そして、それからの日々は、冴木から様々なことを学ぶ日が続いた。

 まず、車やバイクの運転の仕方について教えてもらうと、敷地内を簡単に回るようにして、実際に運転を経験した。また、簡単な護身術として、合気道も教えてもらった。

「相手の力を受け流すようにして、体勢を崩すんだ。どうしても逃げられそうにない時、これで時間稼ぎぐらいはできるだろう。それに、力がいらないから、春翔でも役立てることができるはずだ」

 そうして教えてもらったことを、春来はすぐに覚えた。一方、春翔には合わないようで、車やバイクの運転も、合気道も、ほとんど覚えることができなかった。

 また、春来達は交代で休憩を取りつつ、常に監視することで、襲撃に備えるようにした。ただ、それからの数日は、特に襲撃もなく、本当に命の危険があるのかと思えるほどだった。

 そうして、TODの終了まで丁度24時間を迎えた時、冴木が休憩して、代わりに春来は監視していた。その時、春翔がやってきた。

「何だか、ずっと夢の中にいるみたいだね」

 春翔は、どこか現実感がないようで、そんな言葉を口にした。

「うん、僕もそう思うよ」

 春来は、そう返したものの、時間が経つに連れて、少しずつ理解していた。というより、理解できてしまった。

 同時に、それを受け入れることができず、その代わりに、車やバイクの運転や、合気道の知識を覚えることに集中した。そうして、実際に起こっていることから目をそらすことで、春来は自分を守っていた。

「春来、ごめんね」

 その時、不意に春翔が謝ってきて、春来は戸惑った。

「えっと、何かな?」

「私が一緒にいなかったら、きっと春来は、もっとたくさんのことができるようになっていたよ。サッカーだけじゃなくて、様々なスポーツで活躍したはずだし、サッカーだって、もっとできることがあったよ」

「いや、そんなこと……」

「勉強だってそうだよ。もっといい高校に入って、それこそ学力一位の秀才みたいになれたよ」

「ううん、僕は近くの高校に行きたかったから……」

「それだって、私に合わせてくれただけじゃん。それに、自転車に乗れない私に合わせなければ、もっとたくさんの高校から選ぶことができたはずだよ。それだけじゃなくて、普段から自転車で色々な所に行って、それでできることをもっと増やせたはずだよ」

 春翔が何を言いたいのか、まだわからなくて、春来は混乱してしまった。

「マスメディアの問題とか、私は全然わからないけど、春来はすぐに理解して、すごいと思ったよ。朋枝ちゃんを救ったり、私を生徒会長にしてくれたり、隆君と学君だって救って……春来は、そんなことができる特別な人なのに、私は足を引っ張るだけだったね。だから、ごめんね」

「いや、何を言っているのかな? 特別なのは春翔で、そんな春翔が引っ張ってくれたから、僕も色々とできるようになって、そもそも春翔がいなかったら、僕はずっと一人ぼっちだったと思うし……」

「違うよ。私だけが春来と一緒にいたいと思って……春来を誰かに取られたくなくて、そんな私にみんなが気を使って、春来と距離を取るようにしていただけだよ。だから、私がいなければ、春来はもっとたくさんの友達を作って、それこそみんなに囲まれていたはず……って、それは今でもできているね。結局、春来はみんなに囲まれていて、少しだけ嫉妬しちゃったよ」

 春翔は、寂し気な様子で笑った。

「今だってそうだよ。すぐに車やバイクの運転を覚えて、合気道も覚えて、春来は特別だよ。そんな春来なら、あんなサイボーグみたいな人を相手にしても、勝てたんじゃないかな? でも、私が一緒にいたせいで、春来の特別をたくさん消しちゃったから……ごめんね」

 そこまで言われても、春来は上手く理解できなかった。

「春来は、特別だよ。だから、もっとたくさんできることをしてほしい。今、できないと思っていることにも挑戦してほしい。私は、そんな春来を応援するよ」

 そう言うと、春翔は笑顔を見せた。

 これまで、春来にとっての春翔は特別な人で、いつも前にいる人だった。両親を亡くした後、落ち込んだり、ネガティブに考えたりすることが増えたものの、それでも春翔が前にいてくれると思って、春来は追いかけ続けていた。

 ただ、今この瞬間、春翔は春来の前にいる人ではなく、春来の後ろにいて、背中を押してくれる存在なんだと気付いた。

「うん、ありがとう」

 そして、春来はただ礼を言った。それに対して、春翔は満面の笑顔を見せた。

「あ、そうだ。ミサンガ、渡していなかったね」

 そこで、春翔はふと思い出した様子で、ポケットからミサンガを出した。それに対して、春来もポケットからミサンガを出した。

「実は、春翔の分のミサンガ、作ったんだよね」

「そうなの!? ありがとう!」

 そうして、春来と春翔はミサンガを交換した。

「何だか、指輪の交換みたいだね」

「でも、サッカー部のみんなとお揃いだよ?」

「そうだけど、この二つだけは特別なの」

 そんな風に春翔が言ったため、春来は軽く笑った。

 その時、春来は異様な気配を感じて、そちらに目をやった。そこには、バイクに乗った「あいつ」の姿があった。

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