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『恋愛相談キャラ』の俺がクラス一の美少女から恋愛相談を受けていたらいつの間にか仲良くなっていた件。  作者: こうと


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第56話 もう大丈夫

 

 田中先輩との教室での会話が終わり、私は静かに教室を後にした。涙を拭き、顔を上げるたびに少しだけ気持ちが楽になっていくのを感じた。


「好きです」と伝えて、断られた。でも、それでも伝えられたことで、胸の中に溜まっていた苦しさが少しずつ消えていった。


 田中先輩に振られたことは辛かったけど、彼は誠実に向き合ってくれた。それが何よりも嬉しかった。


 次の日、学校に行くと田中先輩の姿が目に入った。彼はいつものように廊下を歩いている。


 今までなら、すぐに話しかけたくなるような状況だったけど、今は少しだけ躊躇してしまう。


「……どうやって話しかけたらいいんだろう?」


 これからの関係をどう築いていけばいいのか、まだよく分からない。


 でも、田中先輩は私に「これからも一緒にいよう」と言ってくれた。その言葉を信じて、私は少しずつ前に進むことに決めた。




 ******




 放課後、図書室に向かうと、田中先輩が先に座っていた。彼はいつもと変わらない様子でラノベを読み、穏やかに過ごしていた。


「……田中先輩、こんにちは。」


 私は少し緊張しながら声をかけた。田中先輩は顔を上げ、すぐに微笑んでくれた。その笑顔を見ると、少しだけ心が軽くなる。


「おう、凛。今日は一緒に話せるか?」


 田中先輩の声は優しく、あの告白のことを気にする素振りも見せていなかった。それが逆に、私を安心させてくれた。


「はい、もちろんです!」


 私は席に座り、田中先輩といつものようにラノベやアニメの話を始めた。話しているうちに、自然と笑顔が戻ってくるのを感じた。


 彼との関係は、告白前とは少し違うかもしれないけれど、それでも彼と一緒にいる時間はやっぱり楽しかった。


 話が進むにつれ、ふと田中先輩が真面目な顔をして言った。


「凛、昨日のことなんだけどさ……本当にありがとう。俺、凛が自分の気持ちをちゃんと伝えてくれたこと、すごく感謝してるんだ。」


 田中先輩はまっすぐ私を見つめて、言葉を続けた。


「俺、凛との関係を大事にしたいんだ。だから、これからも一緒にいてくれたら嬉しい。」


 その言葉に、胸が温かくなった。振られたのに、こんな風に言ってくれるなんて、田中先輩は本当に優しい。


 私はもう一度微笑んで、彼の言葉を受け取った。


「私も、これからも一緒に話したいです。先輩が言ってくれたように、私も先輩との時間がすごく大切ですから。」


 それから、私たちはまた、いつものように話し続けた。田中先輩は気を使いすぎず、でも自然な距離感を保って接してくれている。


 私も無理に気持ちを抑え込むことなく、少しずつ前に進もうとしている。


 もちろん、すぐにこの気持ちを整理するのは難しいかもしれない。


 だけど、田中先輩がこれからも一緒にいてくれると約束してくれたことで、私は一歩ずつ前を向いて歩んでいける気がしていた。


 その日、図書室を出る頃には、私は田中先輩に心から感謝していた。


 彼は私を振ったけれど、それでも私たちの関係は変わらない。むしろ、今まで以上に深まった気さえする。


「これからも、よろしくお願いしますね、田中先輩。」


 そう言いながら、私は笑顔で手を振った。田中先輩も笑顔で返してくれる。


 その瞬間、私は心の中で「もう大丈夫だ」と自分に言い聞かせた。

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