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『恋愛相談キャラ』の俺がクラス一の美少女から恋愛相談を受けていたらいつの間にか仲良くなっていた件。  作者: こうと


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第34話 二人同時に

 

「──優奈、ちょっといいか?」


 放課後、突然呼びかけられた中村君の声に、優奈は一瞬驚いて振り返った。

彼の表情はいつもとは違う真剣なもので、何か大事な話があることを感じさせた。友達に「先に帰ってて」と告げて、中村君の方に歩み寄る。


「どうしたの?」


 優奈は少し緊張しながら尋ねる。中村君の瞳がまっすぐに自分に向けられている。

心臓がドキドキと高鳴り、いつもの会話とは違う空気が流れているのが分かる。


「……ちょっと、話したいことがあるんだ。今、時間あるか?」


 中村君の声は少し震えているように聞こえた。優奈は何か大切なことが起こりそうだと感じながら、静かに頷く。


「うん、いいよ。」


 二人は静かな公園に向かい、ベンチに腰掛けた。

普段は何気ない会話で盛り上がるはずなのに、今日は公園に向かう道も、そしてベンチに座っても少しの間沈黙が続いた。

優奈は中村君の様子を見ながら、何を話すべきか考えていたが、彼の真剣な表情がその緊張感を高めていた。


「……なあ、優奈。」


 中村君がようやく口を開いた。その声には不安と緊張が滲んでいた。

優奈も、心の中で何を言われるのか、ドキドキしていた。


「俺……」


 中村君が言葉を続けようとした瞬間、優奈の口が勝手に動いた。


「私も……」


 二人の声が同時に響いた。お互いに一瞬目を見合わせて、驚いたように静まり返る。優奈は思わず息を呑んだ。こんなタイミングで、まさか二人が同時に話し始めるなんて……。


「……え?」


 二人とも言葉に詰まり、困惑したように顔を見合わせる。

そして、次の瞬間、どちらともなく小さく笑い始めた。

緊張の糸がふっと解けて、今までの張り詰めた空気が和らいだ。


「お前、何を言おうとしてたんだよ?」


「いや、中村君こそ……」


 お互いに同じ質問をしながら、また笑い合う。優奈の心の中にあった緊張が一気にほどけて、ほんの少しだけ肩の力が抜けた。だけど、すぐにまた静かな空気が戻ってくる。


 中村君は深呼吸をして、もう一度真剣な表情になった。


「優奈、俺……お前のことがずっと好きだったんだ。ずっと、言いたくて……でも、勇気が出なくて。だけど、今、やっと言える。」


 その言葉を聞いた瞬間、優奈の心は一気に跳ね上がった。自分も同じ気持ちを持っているのに、なぜかドキドキが止まらない。


「中村君……私も、ずっと言いたかった。私も中村君のことが好きなんだ。お互い、こんなに想ってたのに、なかなか言えなかったよね。」


 優奈は恥ずかしそうに笑いながら、彼に気持ちを伝える。二人の想いがやっと言葉にできたことで、心の中にあったモヤモヤが消え、すっきりとした気持ちになった。


 お互いに想いを告げたことで、緊張は完全に解けていた。


「こんなに時間かかるなんてな……お互いバカみたいだよな。」


 中村君が照れくさそうに言うと、優奈もクスっと笑った。


「ほんとだよね。でも、今こうして言えたから良かった。」


 優奈も笑いながら、心の中でホッとした。ようやくお互いに正直になれたことが嬉しくて、これまでの緊張が嘘みたいに消えていく。


「……これからも、俺と一緒にいてくれるか?」


 中村君が再び真剣な表情で尋ねる。優奈はその言葉に頷いた。


「もちろん。これからもずっと一緒にいたい。」


 お互いにようやく素直な気持ちを伝え合ったことで、二人の関係は一歩前進した。緊張の中での告白は、照れくさいけれど、それがかえって嬉しさを倍増させた。

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