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『恋愛相談キャラ』の俺がクラス一の美少女から恋愛相談を受けていたらいつの間にか仲良くなっていた件。  作者: こうと


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第26話 気持ちを伝えること

 放課後、図書館で静かに本を読んでいると、またもや足音が聞こえた。振り返ると、そこにはいつものように元気な笑顔を浮かべた優奈が立っていた。


「田中先輩!また相談があるんですけど……いいですか?」


 彼女がこうして相談に来るのも、もうすっかり日常の一部になっていた。優奈の恋は順調に進んでいるようで、俺もそれを応援し続けているけれど、今日はどんな悩みを抱えているのだろうか。


「もちろん。どうした、また中村君のことか?」


 俺が軽く微笑んでそう聞くと、優奈はちょっとだけ頬を赤らめて、小さな声で答えた。


「はい……最近、すごく仲良くなれたんですけど、まだ私の気持ちをちゃんと伝えられていないんです。それに、彼がどう思ってるのかも分からなくて……どうやったら気づいてもらえるんでしょうか?」


 優奈は真剣な表情でそう言った。彼女の悩みは深刻なものだとすぐに感じ取れた。恋愛が進む中で、気持ちをどう相手に気づいてもらうか──それは、きっと恋愛における最も難しい部分かもしれない。


「そうか……それは難しいよな。気持ちを伝えるって、タイミングもあるし、どう伝えればいいか分からないよな。」


 俺も少し考え込みながら答えた。優奈の相談に真剣に向き合いながら、自然と自分の状況と重ね合わせてしまう。

水瀬に対して、自分はどうやってこの気持ちを伝えればいいんだろうか?


「田中先輩は、誰かに気持ちを伝えたいって思ったこと、ありますか?」


 優奈の質問に、俺は一瞬戸惑った。


「……正直、最近、そう思うことが増えたかもな。でも、どうやって伝えればいいのか分からなくて……。」


 俺がそう答えると、優奈は驚いたように目を見開いた。


「えっ!?田中先輩もそうなんですか!?じゃあ、やっぱり難しいんですね……気持ちを伝えるって。」


 優奈は少しがっかりしたように肩を落とした。それを見て、俺は少し申し訳ない気持ちになった。彼女にアドバイスをしてあげたいのに、俺自身がまだその答えを見つけられていない。


「でも……まずは、自分の気持ちを大事にすることが一番なんじゃないかな。」


「自分の気持ちを大事に……ですか?」


 優奈は少し考え込むように呟いた。それから、ふっと笑顔を見せてくれた。


「そうですね……まずは自分の気持ちを信じることから始めないと、ですよね!」


 彼女の言葉に俺は少しホッとした。優奈はすぐに前向きに気持ちを切り替えられる。その純粋さが本当にまぶしいくらいだ。


「でも、どうやって彼に気づいてもらえばいいんでしょう?やっぱり、直接言わないと伝わらないのかな……?」


 優奈が再び悩む様子を見て、俺は自分のことを考えた。確かに、気持ちは直接伝えないと伝わらないこともある。けれど、いきなり「好きだ」と言う勇気は、そう簡単には出てこない。


「……そうだな、直接言うのが一番分かりやすいけど、それができなくても、少しずつ伝わることもあるんじゃないか?」


 俺がそう答えると、優奈は首を傾げた。


「少しずつ……?」


「そう。例えば、相手に対して気遣いを見せたり、相手を思って行動していることが伝われば、それだけでも気持ちは少しずつ伝わっていくんじゃないかと思うよ。」


「なるほど……じゃあ、私も中村君にもっと気遣いを見せたり、優しく接したりしてみます!そしたら、いつか彼にも私の気持ちが伝わるかもしれないですね!」


 優奈はまた元気に前向きになった。その姿を見て、俺も少し勇気をもらった気がする。


「そうだな、焦らずに少しずつやってみればいいと思うよ。」


 俺がそう言うと、優奈は嬉しそうに頷いた。


「ありがとうございます!田中先輩のおかげで、少し自信がつきました!これからも頑張ってみますね!」


 彼女は笑顔を見せながら図書館を出ていった。その後ろ姿を見送りながら、俺は再び水瀬のことを考えていた。


「少しずつ、か……」


 俺も優奈に言った通り、水瀬に対して無理に焦る必要はない。まずは、彼女に少しずつ気持ちを伝えていけばいい。


その気持ちを彼女に気づいてもらえるように、まずは自然な形で彼女との関係を深めていくことが大切だ。


 その日の帰り道、俺は決意を固めていた。


次に水瀬と話す時、これまで以上に自然体で、そして少しずつ自分の気持ちを伝えていこうと思った。


いきなり気持ちを伝えるのは無理でも、彼女にとって自分が特別な存在でありたい──そう思えるように。

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